「KPOPバブルは終焉したのか?」Monthly KPOP Chit-chat Season2 #06

2025.02.01 昨年の同じ時期に、Season1#4でも取り上げたKPOPバブルの話題。 2023年はKPOP CD売上が過去最高を記録し、年間総売上枚数がKPOP史上初めて1億枚を突破し、KPOPがバブルの頂点を迎えている事を記事にした。 そして、そのコラムの最後に著者は全てのKPOPオタクにこう提言したのである。 「2024年はみんなで一旦落ち着かない?今年は自分の幸せを優先してみない?2025年にBTSが完全体で戻ってきたら、否が応にも再びCD売り上げ戦争がやってくるのだから、それまで一休みしてみない?」 と。 この著者の声がKPOPオタクに届いていたかどうか知る由もないが、まさにその通りになった。2024年は本当に一休みした年となったのだ。 韓国CIRCLE CHARTが発表した下記の2024年度CD売上の図をご覧いただきたい。 2015年以降、ずっと右肩上がりの売り上げを記録していたCD販売数が10年ぶりに前年を下回る結果となっている。前年比だと19.5%のマイナス成長となってしまった。ただ下回ったと言っても2023年の1億枚超えが異質なだけだと考えることも出来る。現に、2024年も9300万枚以上は売り上げており、2022年の7700万枚と比べても1500万枚以上上回っているのだ。 従って、前年比で約20%マイナスだからと言って、KPOPバブルが弾けたと安易に結論付けるにはまだ早い。なんてったって、2025年はあの2組がカムバックすると言われているのだ。現KPOPキングとクイーンの帰還である。 そう、BTSとBLACKPINKだ。 BTSは2022年にリリースしたアルバム「Proof」を最後にメンバーが順に兵役に出て、遂に今年全員が兵役を終え帰ってくる。今年アルバムをリリースすることになれば、実に3年ぶりの新曲となり、ファンにとっては待ちに待った分、お金を溜め込んでいるARMY(BTSのファンネーム)も少なくないはずだ。さらに、グループとして活動休止していた間もそれぞれソロ活動をしており、ジミンが2023年3月にリリースした「LIKE CRAZY」が米Billboardのメインシングルチャート HOT100において、KPOPソロアーティストとして初となる1位を獲得。 これは世界的ヒット曲となったPSYの「カンナムスタイル」の最高2位を上回る快挙だった。 そしてジョングクがその4ヶ月後となる7月にリリースした曲「Seven」が世界的大ヒット曲となり、これまたジミンに続き米Billboard HOT100で1位を獲得。 元々巨大だったBTSのファンダムだったが、彼ら2人のソロ曲のヒットにより新規ファンを獲得する格好となり、今やBTSの潜在ファン数は未知数だ。 そしてBLACKPINKも2022年にリリースした「BORN PINK」が最後のアルバムとなっており、BTSと同じく3年ぶりのカムバックとなる。しかも、BTSと同じくそれぞれがソロ活動を行なっており、なんと言っても2024年10月にリリースされ瞬く間に世界を席巻したロゼの「APT.」の大ヒットによりBLACKPINKも新規ファンの獲得に成功。「APT.」は直近(2月1日付け)の米Billboard HOT100で3位まで上昇し、KPOP女性アーティストとして最高位を記録。リリースから3ヶ月経った今でも人気を持続し続けており、このまま1位にまで駆け上がっても不思議ではない。イギリスのシングルチャートでも2位を記録し、これもKPOP女性アーティスト最高位を記録した。 先日さいたまスーパーアリーナで行われたEDMフェス「GMO SONIC」では、EDM好きの客がほとんどの中でも「APT.」は別格の盛り上がりをみせ、最早KPOPの括りなど関係の無い存在にまでなっている感すらある。 このように、BTSとBLACKPINKの2組がカムバックすることを考えたら、2025年のKPOP CD売上がどのように推移するのか、全く想像がつかない。 BTSの初動最高売上は2020年の「MAP OF THE SOUL : 7」の3,378,600枚で長らく初動売上1位を守っていたのだが、2023年にNCT DREAM、Stray Kids、SENVENTEENの3組がBTSの初動記録を更新。特にSEVENTEENの「SEVENTH HEAVEN」は脅威の初動500万枚越え。恐らくARMYはプライドに懸けてこの500万枚を超えてくるだろうと予想している。なんなら二度と追い越せないように600万枚、700万枚を狙ってくる可能性だってある。 BLACPINKも同じくだ。2022年の「BORN PINK」が154万枚でガールズグループの初動1位を記録したのだが、2023年にIVE、NewJeans、aespaに抜かれ現在4位になってしまっている。この3組とも160万枚台で拮抗していることから、BLINK(BLACKPINKのファンネーム)は200万枚超えを狙っているに違いない。2024年の売り上げ枚数9300万枚に単純にBTSとBLACKPINKの予想売上枚数を足すだけで再び1億枚時代に舞い戻る事になる。 こうなってくると抜かれたグループのファンも黙ってないだろう。 SEVENTEENはメンバーの兵役が始まるので、物理的に追い抜くのは難しいかもしれないが、今世界人気ではポストBTSの筆頭格であるStray Kidsはまだまだファンのポテンシャルは計り知れない。 BTSがカムバックする事でこれまで以上に盛り上がるかもしれない。 ガールズグループも2024年を制したaespaがポストBLACKPINKの筆頭であるのは間違いない。 「Supernova」と「Whiplash」と2曲続けてヒットさせたaespaは年々ファンダムを拡大させているし、潜在的には BLACKPINKと肩を並べている可能性だって否定できない。 この新旧ガルクラクイーン大戦が2025年のハイライトとなる!と予言して本稿を締めくくらせていただく。 了 猫町ぺこー SKOOTA KPOP部チーム長

「2024KPOP大展望答え合わせ」Monthly KPOP Chit-chat Season2 #05

2025.01.06 A HAPPY NEW YEAR! 明けましておめでとうございます。 本年も本コラムをどうぞよろしくお願いいたします。 さて、新年一発目は、1年前に自ら書いた予想の答え合わせをしていこうと思う。 遡る事約1年前。 Season1#5において書いた2024KPOP大展望のコラム。 読んでない方は是非Season1#5の記事を読んだのちに、本稿に戻ってきていただけると大変有り難い。 という事で早速、結論。 「2024年はガルクラ復権の年になる」 と書いていた1年前の予想が当たっていたか否か。 その答えは… 「当たっていると言えなくもないし、ハズれてるとも言えない」だ。 自分で書いておいてなんだが、大当たりでも大外れでもないという、なんとも中途半端な結果となってしまった。 2024年はKPOPで爆発的にヒットした曲が3曲あった。 ILLITの「Magnetic」 aespaの「Supernova」 そして、ロゼ&ブルーノマーズの「APT.」 そう、爆発的ヒット曲3曲のうちの1曲は、ゴリゴリのガルクラ楽曲aespaの「Supernova」なのだ。 しかも「Supernova」はただのヒット曲の枠に収まりきらない売れ方をした。 韓国国内の主要音源チャート全てで同時に1位を獲得する「パーフェクトオールキル」を達成し、更には韓国主要音源チャートMelonで15週連続1位となり、これまでNewJeansが「Ditto」で記録した14週連続1位を抜き、連続1位最長記録を更新。 そして「Supernova」が収録されたアルバム「Armageddon」は初動115万枚を売上、4作連続のミリオンセラーを達成し、米Billboardワールドアルバムチャートで1位を獲得。 そして、年末に米Billboardが発表した「スタッフ選定2024年ベストK-POPソング25(The 25 Best K-Pop Songs of 2024: Staff Picks)」でも1位に選ばれた。 米Billboardは「今年を代表するK-POPトラック。3分間展開されるこの曲は、革新と構造を完璧に組み合わせた作品で、3回のフルコーラスとダイナミックな部分、感動的なブリッジ、そして圧倒的なダンスブレイクが組み合わせられている。それでも、aespaは曲全体に完成度と一貫性を維持し、新しい境地を見せてくれる」と大絶賛。 さらにKPOP最大の音楽授賞式「2024MAMA AWARDS」において、「Supernova」がSong of the Yearを獲得。 韓国国内外で「Supernova」が今年1番のKPOPソングと評された。 2023年がY2KブームとイージーリスニングをKPOPに定着させたNewJeanes Yearだった事を考えると、僅か1年でガルクラグループの代表格であるaespaが、元々売れていたグループとは言え、ここにきてキャリアハイの売れ方をして、ここまでの成功を収めるとはほとんどの人が予想していなかったと思う。 そういう意味ではガルクラ復権の年になった!と言っても差し支えないように感じる。 そして、7月にはガルクラの先駆者2NE1が10年ぶりに完全体での活動を発表し、10月から始まったアジアツアーのチケットは軒並みソールドアウトした。 YGエンターテイメントの新人ガルクラグループBABYMONSTERは11月1日に発表した1stフルアルバム「DRIP」がiTunesのアルバムチャートで11の国と地域で1位を獲得し、「DRIP」のミュージックビデオは僅か21日で1億再生を突破した。 このように、2024年如何にガルクラが躍進したのかを上げればキリがない。 ではなぜ、著者が2024年がガルクラ復権の年になった!と大手を振って言えないのか。 それは、フラットなKPOPファンに聞いた時に、「2024年はガルクラの年だったね!」 と答える人はあまりいないのではないか?という事に尽きる。

「King is Back!〜帰ってきたBIGBANG〜」Monthly KPOP Chit-chat Season2 #04

2024.12.12 BIGBANGが帰ってきた。 KPOPファンなら誰もがワクワクする、KPOP最大の音楽授賞式MAMA AWARDS。 25周年となる今年は、MAMA初となるアメリカ開催を含め、11月21、22、23日の3日間に渡って行われた。 そして大阪京セラドームで行われた、最終日となる23日にその時はやってくる。 MAMA側から事前にアナウンスがあったのはG-DRAGONのみで、あくまでもソロ歌手としての出演だった。 そのアナウンス通り、G-DRAGONのソロ曲「Untitled」が会場に流れ始めると京セラドームがどよめいた。 家のTVで生中継を見ていただけなのに、その興奮が画面越しにヒシヒシと伝わってきた。 そして、10月31日に配信リリースされたばかりの「POWER」と共にステージに迫り上がってきたG-DRAGONの姿に会場はこの日1番の盛り上がりをみせた。 ここまでで、すでに大盛り上がりしていたわけだが、次の曲「HOME SWEET HOME」のイントロが流れるとさらなる盛り上がりをみせる。 それもその筈。 この曲は前日の11月22日に突如配信リリースされ、なんとfeat.TAEYANG & DAESUNGとクレジットされており、G-DRAGONのソロ名義でありながら、BIGBANGのメンバーがfeat.で参加するという、実質BIGBANGの新曲と言っても過言ではない曲なのだ。 そんな曲のイントロがなったもんだから、観客が正気ではいられないのも当然だ。 このあとTAEYANGとDAESUNGがステージに登場するのが確定だろう!の空気が流れた後、G-DRAGONのパートから始まった「HOME SWEET HOME」のパフォーマンス。 「POWER」同様、ピンクの衣装に身を包んだダンサー軍団を従え、センターでしなやかに踊り歌うG-DRAGON。Bメロのラップパートではモニターに子供時代のG-DRAGONが映し出され、その前で「俺がG-DRAGONだ!」と言わんばかりの圧巻のラップ。 そして、TAEYANGのパートになる直前、G-DRAGONがカメラに促すように手を差し示した方向には、まるで映画「THIS IS IT」のポスターでのマイケルジャクソンのような佇まいのTAEYANGが両手を掲げて登場。 この瞬間、会場が割れんばかりの歓声に包まれ、凄まじかった。 さらに、その後DAESUNGが登場すると、待ってました!とばかりに会場のボルテージは沸点超え。 前日にリリースされたばかりの新曲とは思えない程の盛り上がりであった。 そして、その盛り上がりきった状態のまま曲が終了し、3人がステージ奈落へと降りていった。 この時著者は、こんなに盛り上がっているのにBIGBANGの曲はやらずに終了なんてことあるのか?と若干の不安が頭を過ぎった。 なぜなら、この前日の22日のMAMAでロゼ&ブルーノマーズの「APT.」初パフォーマンスをMAMA側が煽りに煽った結果、まさかの事前収録映像が会場のモニターに流れるだけで、生パフォーマンスは無し!という展開に会場は地獄のような雰囲気に陥ったからだ。 昨日の今日で、MAMAの事をもう信用出来なくなっていた著者は、このままG-DRAGONのステージが終了するのも覚悟していた。 期待して裏切られるぐらいなら、期待しないほうが楽だから。 しかし、次のアーティストが現れる気配も授賞式の続きが始まる気配も無い。 これに会場はザワつき始め、「昨日とは違う!」の雰囲気が流れ始める。 そうするとどこからともなくBIGBANGコールが鳴り始めて、まるでコンサートのアンコールさながらの様相に。 すると、BIGBANGのヒット曲「BANG BANG BANG」のイントロが流れ始め、「ギャー」という悲鳴に近い歓声がこだまする。 「HOME SWEET HOME」で最高潮に達したかと思った熱はさらに、熱を帯びて最高潮を更新。 その後3人が衣装替えした状態で現れてからは、最早BIGBANGの単独コンサートと化してした。 TVで見ているだけなのに現場にいるかのように興奮したし、なぜBIGBANGがキングと呼ばれているかを初めて理解出来た気がした。 そう、ここまで熱を帯びて書いてはいるものの、BTSからKPOPに入った著者はBIGBANGの全盛期をほとんど見ていない。 唯一、リアルタイムで体験したのは2022年にリリースされた「春夏秋冬(Still Life)」のみ。 その他に知っている曲は今回のMAMAでも披露した「BANG BANG BANG」と「FANTASIC