2025.05.19 今(5月19日現在)KPOP界隈で1番のトピックがなんなのか皆さんはご存知だろうか? というより、今のところ2025年のKPOPで1番の話題を掻っ攫ってると言っても過言では無い。 そうそれは「シュシュ女」である。 去る5月9日(金)〜5月11(日)に幕張メッセにて開催されたKPOPの大型フェス「KCON JAPAN2025」。 Kep1erも出演するとあって9日、10日の二日間著者も参戦した。 KCONはアーティストのライブの他にトークイベント+お見送り会がセットになったミート&グリート(以下ミーグリ)というイベントがあり、このミーグリで事件が起きたのである。 ミーグリに参加するには1アーティストにつき8900円(手数料を入れると約1万円)のチケットが必要で、ほとんどのファンはお見送り会目当てでこのチケットを購入する。 ここでお見送り会とはなんぞや?という方の為に説明しておくと、推しグルの目の前を歩きながら通過して、文字通り推しがイベントから退場するファン一人一人をお見送りしてくれるというものだ。 一言二言なら言葉を交わす時間もあるし、「大好き〜」とか「いつもありがとう」とか推しから直接言葉を頂くことだってできるファンには堪らないイベントなのだ。 しかも通常ならCDを積まないと当たらないイベントで、1枚1500円〜2000円程度のCDを10枚買って応募したとしても当たらないことなんてザラなのである。 要するに2万円近く使っても当たらないようなイベントに1万円で確定で参加できるとあってKPOPオタクからしてみたらKCONサランへ案件である筈イベントなのだ。 が、しかし今年はこの楽しい事が確定していた筈のミーグリお見送り会で大問題が発生した。 それはファンへの過剰な「剥がし」だ。 「剥がし」とはファンとアーティストを引き剥がすスタッフの行為の事なのだが、今年のKCONミーグリの剥がしはハッキリ言って異常だった。 この剥がしを行なっていた、とあるスタッフの女性がシュシュを頭に付けていたことから、「シュシュ女」とX(旧Twitter)上で呼ばれ、その剥がしの映像と共に瞬く間に拡散され「シュシュ女」がトレンド入りするほどの過熱ぶりを見せた。 Xフォロワー数280万人超えで、X界隈最強のインフルエンサーである滝沢ガレソも取り上げ(映像が添付された該当のポストは5月19日現在7.4万いいね、3349万ビューと脅威的な数字を記録)、KPOPの垣根を越えあらゆる人々に「シュシュ女」の名前が知れ渡った。 その後、AbemaTVのAbemaPrimeでも取り上げられたり、霜降り明星・粗品のYouTubeチャンネルでも取り上げられたりと、普段は特段KPOPを取り扱わないようなメディアもこぞってこの話題を取り上げた。 そして、過激なネット特定班はあっという間に「シュシュ女」の個人情報を入手し、ネット上にばら撒き、止まらぬ誹謗中傷の引き金となってしまった。 流石に個人を特定して誹謗中傷までするのはやり過ぎだとは思うが、当日のスタッフの剥がし方は控えめに言っても1万円も支払ってその場に来ているお客さんに対する接し方ではなかった。 著者はKep1erのミーグリお見送り会に参加したのだが、普通に歩いているのにスタッフから押されたし、炎上のきっかけとなったZEROBASEONE(通称ゼベワン)のお見送り会はKep1erよりもさらに酷かった。 拡散された下記のXの映像を見ていただければ分かると思うが、1万円払ってこれだったら誰だって怒りたくなる。 そして、ここで疑問に思う方もいるだろう。 いつもはもっと穏やかで今回が初めて問題になったのかと。実はそんな事はない。 ここ最近のKPOPのオフイベのスタッフの態度は度々問題視されていた。 では何故今回ここまで大きく拡散され大問題になったかと言うと、KCONはスマホでの撮影を原則OKとしていたからに他ならない。 通常の日本でのオフイベは撮影する事は許されておらず(一部撮影可能なイベントもあるにはあるが非常に稀)、たとえスタッフの態度が酷かったとしてもその証拠を残す事が出来ないのである。 それが、今回ハッキリとスタッフの剥がしの映像が証拠として残ったことでこれまで不満に思っていた人たちがここぞとばかりに爆発してしまったのだ。 事態を重く見たKCONも謝罪分をHPに掲載し、現場スタッフを派遣していたイベント会社の「STARTPOINT」もオフィシャルに謝罪文を掲載した。 正直、このような問題で主催側が謝罪するのは相当珍しい。 これまではファン側が泣き寝入りしていたことの方が多かった。 よっぽど抗議が来たのだろうし、それに今回のKCONのメインスポンサーであるサムスンにも何か言われたのだろう。 勿論、迷惑なファンがいるのも否定できないし、そういう輩には毅然とした態度を取るべきだと思う。 だが、ルールを守り大人しく参加しているファンにまでそのような態度を取るのは如何なものなのか。 今回の騒動を機に、今一度イベント主催者とイベント運営会社はファンの事を思った運営に立ち返っていただきたいと強く願う。 ファンは推しに会う為に美容院に行って、オシャレもして会いに行く。 人によっては地方からこの日のために遠征してくる人だっている。 今回のKCONミーグリお見送り会は1万円だったが、CDを積んで当たらないと会えないオフイベの場合は10万円ぐらい使う人だっている。 そんなお金と時間を使って推しとの時間を楽しみにしているファンの気持ちをもうちょっとは考えてほしい。 どこのお店に大金を払ってきたお客さんを無下に扱うお店がありますか? 推しを人質にして、酷い態度を取るのはあんまりでは無いですか? 別に優しくしろなんて言いません。 せめて普通にしてください。 我々オタクの願いはそれだけなのです。 了 猫町ぺこー SKOOTA KPOP部チーム長 〈元々は洋楽ロックオタクで一時期ロッキンオンに就職しようかと思っていたほどの音楽通。BTSキッカケでKPOPを聴くようになりその後BLACKPINKにハマり、KPOP沼に片足を突っ込む。サバイバルオーディション番組『Girls
「混沌の第5世代ガールズグループ」Monthly KPOP Chit-chat Season2 #08
2025.04.17 今からちょうど1年前のSeason1#6にて書いた第5世代ガールズグループ大戦のコラム。 そこでは、ILLITとBABYMONSTERの2強にオーデション番組「I-LAND2」から生まれる新たなガールズグループが割って入るのではないかと予想していたのだが、実際はもっとたくさんの第5世代のガールズグループがデビューし、予想よりも遥かに混沌としている状況だ。 その混沌を生み出した筆頭と言えるグループが2組ある。 SMエンターテイメントから2月にデビューしたHearts2Hearts(ハーツ・トゥー・ハーツ)とSTARSHIPエンターテイメントから3月にデビューしたKiiiKiii(キキ)だ。 Hearts2HeartsはSMがaespa以来5年ぶりにデビューさせたガールズグループ。 先輩のaespaとは打って変わってガルクラ要素は一切なく、どちらかというとさらに上の先輩Red Velvetに近い印象を受けた。 思春期女子にはブッ刺さるであろう夢幻的で儚げな世界観は、今の若手にはあまりいないし、人数は8人でSMの象徴である少女時代以来の大人数グループと、古き良きSMを感じさせるグループとなっている。 そしてデビューアルバム「The Chase」は初動売上枚数40万8880枚を記録。 これは2024年にBABYMONSTERが40万1287枚で記録したデビューアルバム売上記録を塗り替える歴代1位の数字。 名門SMからの新人ということで期待値が高かったものの、それすらもさらに上回る成績で圧巻のデビューとなった。 対してKiiiKiiiはSTARSHIPがIVE以来4年ぶりにデビューさせたガールズグループ。 KiiiKiiiはNewJeans以降、KPOPで主流となったY2Kコンセプトを軸にしているのだが、2000年代というより90年代感すら感じる世界観で、アルバムリリース前に公開された’DEBUT SONG’のMVの絶妙な古ダサさ(褒めてます)は作り手のセンスを感じたし、それを見事に消化しているメンバーのポテンシャルの高さにも驚かされた。 デビューアルバム「UNCUT GEM」は初動売上枚数20万6712枚を記録。 先に記したHearts2Heartsが40万枚以上売上げている分、「その半分か」という印象をお持ちの方もいるとは思うが、4大事務所(HYBE,SM,YG,JYP)以外からデビューしたガールズグループでデビューアルバムが初動20万枚を超えたのはKiiiKiii含め3組しか存在しない(そのうちの1組は我が推しKep1er!)ため、この数字が如何に凄いかお分かりいただけるだろう。 さらにKiiiKiiiの強みはその音源成績の強さにある。 タイトル曲の「I DO ME」は3月25日付けのMelonチャートTOP100で10位を記録。 IVEというトップグループを擁しているとは言え、STARSHIPはまだまだ中小事務所であり、この中小事務所のアイドルとしてデビューからトップ10はそう簡単に達成できる事ではない。 現に大手事務所SMからデビューしたライバルのHearts2HeartsはMelonチャートTOP100での最高順位が26位だという事実から、KiiiKiiiの10位が如何に高いか、これまたその凄さがお分かりいただけるであろう。 そして、最後に第5世代のダークホース的グループがizna(イズナ)だ。 iznaは正にSeason1#6にて書いたオーデション番組「I-LAND2」から生まれたガールズグループで、同じくMnetのオーデション番組「Girls Planet999」(通称ガルプラ)から生まれたKep1erの妹的グループ。 現時点ではHearts2HeartsやKiiiKiiiと比べると成績面ではまだまだな印象なのだが、メンバーのポテンシャルは先の2組に負けないものを持っていると思うし、何よりオーデション番組出身の一番の強みである、熱いオタクがついている。 その証拠にデビューアルバムの初動売上は25万1131枚と、KiiiKiiiの20万6712枚を約5万枚も上回っている。 しかし、音源成績は先の2組には遠く及ばず、MelonチャートTOP100にはまだ一度も入ったことがない。 これが、成績面ではまだまだと言った1番の理由だ。 要するに、CDを積む熱いオタクは付いているものの、サブスクで音楽を聴いてもらえるほどの韓国大衆認知度はまだ無い。 ただ、Kep1erがそうであったように、韓国以外での認知度や人気を獲得することが出来ればまだまだ同じ土俵で戦える可能性は秘めている。 なんと言ってもizna最大のアドバンテージはBLACKPINKのプロデューサーであるTEDDYがプロデュースを行なっている点にある。 これは今や世界中にファンを持つBLACKPINKファンの琴線に触れる曲をTEDDYがiznaに提供しようもんなら、瞬く間にシンデレラストーリーを歩む未来が訪れてもおかしくはないのだ。 「I-LAND2」をリアタイで全話見て、さらには推しのKep1erの妹分であるという推しフィルターがかかっているのは否定できないが、iznaにはここから爆売れして欲しいと切に願っている。 そして著者は最近気づいたことがある。 どうも自分は「アンダードッグ」的立ち位置の人やグループが、スターダムを駆け上がって行くのを応援したいと思う傾向にあるようだ。 KPOPで言うと、大手事務所ではなく中小事務所からデビューして大手事務所グループと渡り合うグループにどうしても肩入れしてしまいがちだ。 それにオーデション番組がかけ合わさると、もうおしまいだ。 いずれにしても、現時点での第5世代ガールズグループのトップランカーであるILLITとBABYMONSTERに肉薄する形で追随するHearts2HeartsとKiiiKiiiという構図の中に、近い将来iznaが割って入ってきて、 「混沌の第5世代ガールズグループ」をさらなる混沌へと誘う世界が訪れるのを楽しみにしていようと思う。 了 猫町ぺこー SKOOTA KPOP部チーム長 〈元々は洋楽ロックオタクで一時期ロッキンオンに就職しようかと思っていたほどの音楽通。BTSキッカケでKPOPを聴くようになりその後BLACKPINKにハマり、KPOP沼に片足を突っ込む。サバイバルオーディション番組『Girls Planet 999』通称ガルプラにどハマりし、ここからデビューしたKep1erのガチオタとなった結果、両足をKPOP沼に突っこむ事となった〉
「〈番外編〉KPOPオタクのオタ活 How to」Monthly KPOP Chit-chat Season2 #07
2025.03.17 さて、皆さんはKPOPオタクというものが具体的にどんな活動(通称オタ活)をしているのか気になってはいませんか? そこで今回は番外編と称して著者自身のオタ活にスポットを当てて皆さんにお届けしたいと思う。 まず分かり易いところで言うと、 1.CDを買う 2.コンサートに行く というのが誰もが想像するオタ活の1位2位であろう。 そして、KPOPオタ活の真骨頂であるのが下記2点である。 3.オフラインイベント(オフイベ)に行く 4.オンライン通話会(通称ヨントン)に参加する オフイベはその名の通り対面で推しに会えるイベントで、オンライン通話会はコロナ禍で直接会いに行くことが出来なかった時に生まれたテレビ電話イベントなのだが、コロナ禍以降も無くなることなく定着した。 そこで、ふと疑問に思う人もいるだろう。 なぜ直接会えるようになったのにわざわざテレビ電話をするの? 対面で会えるならテレビ電話で話すよりそっちの方がいいじゃん!と。 皆さんお忘れかもしれませんが、彼ら彼女らはKPOPアイドルで普段韓国に住んでいます。 そして、KPOPは今や世界中にファンがおり中々会いに行けない人が沢山いるのです。 そんな会いたくても会えない人たちの救済策としてテレビ電話イベントがコロナ禍以降も定着した背景があるのです。 さらに言うと、対面イベントでは長くても1分程度しか話せないが、テレビ電話では2分半〜3分も話せるのです。 伝えたいことや話したいことが沢山ある場合には敢えて、テレビ電話を選ぶ場合もあるのです。 しかも、画録が出来ることもかなりポイントが高い。 推しとのテレビ電話を永久にリピート再生することができるのです。 それに加えて、対面イベントでは絶対に出来ないことが可能であることがテレビ電話最大の利点だと個人的には思う。 しかし、やはり1番のメインイベントはファンサイン会である事は否定できない。 ファンサイン会とは対面でアルバムに全員からサインを貰えて、その間お話しできて、さらに、イベント中はスマホのみならず一眼レフカメラでも撮影OKという神イベントなのである。 が、神イベントである分、コストはそれなりにかかる。 通常KPOPではカムバックすると、ファンサイン会が数回から数10回開催されるのだが、そのファンサイン会に参加するためには、アルバムを何枚も買わないとサイン会には参加出来ない。 というのも、韓国ではボーダー制を採用しており、アルバムを多く買った人順に当選していくという仕組みになっているからだ。 グループの人気度によって当選ボーダーは様々ではあるが、超人気グループになると3桁積んでも参加出来ない場合がある程だ。 ちなみにアルバム1枚2000〜2500円ぐらいであることが多いのだが、3桁で1回のファンサイン会参加券を得ると考えると20万円以上かかる計算になり、ライトなファンには到底手が出せない金額であることがお分かりだろう。 これらのファンサイン会は概ね、韓国で開催されるのだが稀に日本開催の場合もあり、日本ではボーダー制での当選が法律で禁止されている事から抽選での当選となる。 とはいってもやはり、枚数を多く買えば買うほど当選確率はあがるので、結果的に日本でも多く積むことに変わりはない。 ただ、1枚2枚でも当選する可能性があるのが日本イベントのいいところでそこは夢があるのではないだろうか。 そして、このファンサイン会1番の目玉は推しに付けて欲しいアイテムを持っていき、そのアイテムを身につけた状態の推しを写真に収めることが出来ることだ。 何を言っているのか分からない人の為に説明すると、1月に日本で行われたKep1erのファンサイン会に著者が参加した際、推しのユジンちゃん用に持っていったアイテムが下記の写真のものなのだが、 これらを身につけて写真を撮ったのが下記である。 これでお分かりいただけたであろう。このイベントが如何に神イベントかを。 そう。カメラに目線をくれるのである。 この世で1枚の自分だけの推しの写真が手に入るのである。 しかも連写で撮るので1枚どころではない無数の写真がSDカードに記録されるのである。 あとはこれを普通にL版にするもよし、自分だけのチェキカードを作るもよし、オリジナルトレカを作るもよし、自由なのである。 そして勿論メンバーひとりひとりとお話しする事ができ、サインも貰えるんだからそのグループを推してる人間からしたら楽しく無いわけがない。 したがって、CDを3桁積んででも行きたいと思う人がいても不思議ではないし、その値段を高いと思うか安いと思うか、それはもうその人の価値観次第という訳だ。 これでKPOPオタクがなぜそこまでお金を使うのか、ちょっとは理解していただけただろうか。 では最後に、このファンサイン会時に著者が撮ったKep1erの可愛らしいグループショットと共に本稿を締めくくりたいと思う。 了 猫町ぺこー SKOOTA KPOP部チーム長 〈元々は洋楽ロックオタクで一時期ロッキンオンに就職しようかと思っていたほどの音楽通。BTSキッカケでKPOPを聴くようになりその後BLACKPINKにハマり、KPOP沼に片足を突っ込む。サバイバルオーディション番組『Girls Planet