境を越えるインディーの“熱”―BitSummit the 13th 合同レポート【ハナ編】

初めまして。SKOOTA編集部のイ・ハナと申します。いやはや、今年の京都の夏は本当に暑かったですね。後輩のモブが素晴らしいレポートを届けてくれた【前編】に続き、この【後編】は、わたくしイ・ハナが担当させていただく運びとなりました。 モブくんが海外のインディーゲームに注目した一方で、私はやはり、自身のルーツである「韓国のインディーゲーム」のブースに、自然と足が向かっておりました。特に今回は、韓国コンテンツ振興院である「KOCCA」が大規模なブースを構え、多くの韓国インディーゲームが日本のゲーマーの方々に紹介されていたのです。 かつて韓国のイベントで出会った作品が、こうして日本の大きな舞台で注目を浴びている光景は、個人的にも胸が熱くなるもでした。さて、そんな思い入れも交えつつ、私がBitSummitで出会った、個性が際立つ二つの「韓国インディーゲーム」について、ご紹介していきたいと思います。 破滅のオタク:ローカライズの難しさにも負けないゲームの魅力 まずご紹介いたしますのは、チーム「キウィサウルス」さんが手掛けるアドベンチャービジュアルノベル、『破滅のオタク』です。実はこちらのゲーム、以前私が韓国のイベントレポートで取り上げたこともあるのですが、今回KOCCAブースの一員として日本に初上陸し、ブースは常にたくさんの方で賑わっていて、一人のファンとして大変嬉しく思っておりました。 ご存じない方のために改めてご説明しますと、このゲーム、「ネットゲームのオタクである主人公が、限定グッズの共同購入で集めた500万ウォンを使い込んでしまう」というとんでもない導入から始まる、破滅的な物語です。そのストーリーもさることながら、本作の真の魅力は、その「ゾッとするほどのリアリズム」にあると私は考えております。オタク特有の言い回し、コミュニティの空気感、自虐的な思考回路…。知っている方ほどニヤリとし、そして同時に「これは自分のことなのでは…?」と胸が痛くなるような、絶妙なラインを突いてくるのです。 今回、日本の会場で改めて本作に触れてみて「日本語でもプレイできる」ということに驚きと嬉しさを覚えた私でしたが、一点だけ、少しながら懸念が頭をよぎりました。それは、「このゲームの本当の面白さ、日本の皆様にどこまで伝わっているのだろうか?」ということです。このゲームの面白さは、韓国のネットミームやオタク文化への深い理解があってこそ、その真価が120%発揮されるといっても過言ではございません。もちろん、日本語へのローカライズも丁寧に行われておりましたが、文化の壁を超えなければ伝わらない、言葉の裏にある微妙なニュアンスはどうしても伝えにくいところだと感じました。 『破滅のオタク』というタイトルは、主人公の「ジンダ」を指す言葉ですが、もしかしたら、このゲームのディープなネタを一つ一つ理解し、「面白い!」と感じてしまう私たちプレイヤー自身もまた、一般の方から見れば「破滅」への道を歩んでいるのかもしれないと思いつつ…。そんな、自虐的で少し背筋の寒くなるような共感が、このゲームの本当の恐ろしさであり、魅力なのだと思うのです。 これからもローカライズの道は、きっと茨の道でしょう。それでも、この唯一無二のアートスタイル、破滅的なのにどこか愛おしさを感じてしまうストーリーと世界観、そして誰よりもオタクを理解している開発者の皆様の情熱が、日本を、そして全世界を魅了する日が来ることを、私は心から願っております。 Dimension Ascent:“ユーズマップ世代”が切り拓く、新たな次元への挑戦 続いてご紹介するのも、同じくKOCCAブースで出会った、2Dと3Dが融合したプラットフォーマーアドベンチャー『Dimension Ascent』です。視点を切り替えて次元を行き来する、というパズルアクションで、以前モブが紹介していた『LOVE ETERNAL』と通じる部分もあるかもしれませんね。 ゲームとしては、非常にバランス感覚に優れた優等生、という印象でした。ただ見ているだけでは進めない道を、視点を切り替えることで突破していく。この「ひらめき」の感覚がとても気持ちよく、難易度も「うーん…」と悩む時間と「これだ!」と試してみる時間のバランスが絶妙で、ストレスなく楽しむことができました。ストーリーが少し掴みづらいかも、という点はありましたが、それを補って余りある面白さが、このゲームにはあったと思っております。 しかし、私がこのゲームを取り上げたいと思った最大の理由は、ゲーム性そのものよりも、開発者の方のプロフィールにありました。ブースでお聞きした、「スタークラフトのユーズマップ制作者出身」という、短い一文。この記事を読んでいる日本の皆様に、この一文が持つ「意味」が、果たしてどれだけ伝わるでしょうか? 少しだけ、韓国のゲーム文化のお話をさせてください。90年代後半から2000年代にかけて、『スタークラフトStarCraft』は韓国で社会現象と呼ばれるほどの絶大な人気を誇りました。そして、その人気を支えた大きな要因の一つが、「ユーズマップ(Use Map Settings)」の存在です。これは、ユーザーがゲーム内の機能を使って、全く新しいルールのオリジナルマップを自由に作り、共有できるという、当時としてはかなり斬新な遊びの一環でした。つまり、ユーズマップ制作者とは、「ゲームの中で、新たなゲーム性を見出し、遊びを提供する人」「ユーザーを楽しませるためにコンテンツを生み出す、ユーザーの中の開発者」のような、特別な存在だったのです。 そんな、いわば「遊びの天才」が、今、インディーゲームという新たなフィールドで、ゼロからご自身の作品を創り上げている。この事実だけで、とてもワクワクしませんか? 既存のゲームの枠組みの中で新しい遊び方を発見してきたそのご経験が、「視点を変えることで新しい道を発見する」という『Dimension Ascent』のコンセプトに、見事に昇華されているように私には感じられました。 ゼロから始まったこの挑戦が、BitSummitという世界への扉をこじ開け、より多くのプレイヤーを魅了していく。そんな未来を、心から応援したくなりました。そんな開発者の方の「物語」ごと、ユーザーとして楽しめるな作品でございました。 国境を越えて、ゲームは“熱”を伝える さて、わたくしイ・ハナがBitSummitで出会った、二つの個性的な韓国作品をご紹介してまいりました。ローカライズの壁という大きな課題がありながらも、その奥にある「オタク」というカルチャーへの深い共感が魅力の『破滅のオタク』。そして、開発者の方のユニークな経歴が、ゲームシステムそのものに物語性を与えている『Dimension Ascent』。どちらの作品も、ただ「面白い」というだけでは語り尽くせない魅力に満ちていました。 今回のBitSummitは「国際性」そのものを肌で感じられる、素晴らしいイベントでした。モブが紹介してくれた海外のゲームも、私がご紹介した韓国のゲームも、作られた場所も言葉も、そして文化も異なります。ですが、その根底にある「面白いものを作りたい」という作り手の純粋な熱意と、「これはわかる」というプレイヤーの共感は、驚くほど似ているように感じました。 結局のところ、インディーゲームの面白さとは、完成された製品としてのクオリティだけではなく、そのゲームが「なぜ」「どのように」生まれたのかという物語や、作り手の「こだわり」や「情熱」に触れることにあるのかもしれません。BitSummitという場所は、そんなゲームが持つ「言葉を超えた力」を改めて実感させてくれる、最高の空間でした。 この熱気を胸に、私たちSKOOTAGAMESも、自分たちのゲームで誰かの心を動かせるよう、また明日から頑張っていこうと思います。最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました! 今回のBitSummit、締めの一言 最後に、今回のイベントにおける感想を一言で表すと…

再び訪れたインディーの“熱”―BitSummit the 13th 合同レポート【モブ編】

こんにちは、SKOOTAGAMESのネゴラブチームに所属しています、モブです。 途轍もなく熱い夏の盛り、皆さんどのように過ごし方をしているのでしょうか。私はなんと先週、古都・京都でむせ返るような熱気に包まれていました。7月18日~20日まで開催された日本最大級のインディーゲームの祭典**「BitSummit the 13th」**。今回、我々SKOOTAGAMESは開発中の新作『ももっとクラッシュ』を展示するため、「出展者」としてこの祭りに行ってきたのです。 東京のイベントとはまた違う、独特の雰囲気の現場。会場のあちこちから、これまで耳にしたことのない多様な言語が飛び交ってくる光景は、インディーゲームという世界が、自分が思っている以上に広大であることを肌で感じさせてくれましたね。 さて、今回のレポートはいつもと趣向を変え、同じ編集部の先輩であるイ・ハナさんと共に、それぞれの視点からBitSummitを語る「合同レポート」という形式でお届けしようと思います。この【前編】では、まず私モブが、数ある出展作の中でも特に心に残り、多くの思索の種をくれた二つの「海外のインディーゲーム」について、筆を執らせていただきます。 LOVE ETERNAL:シンプルさに宿る、アートの“こだわり” 今回のBitSummitで、私が最初に足を止めたのはこの強烈なキービジュを誇る作品、『LOVE ETERNAL』でした。ジャンルとしては2Dプラットフォーマー。10~20分間の体験版で語られる物語は、家族と食卓を囲んでいたはずの主人公が、気づけば見知らぬ異世界に迷い込んでいる…という、非常に短い導入から始まります。正直、精々20分プレイしたくらいでこのゲームのすべてを語るのは難しいと思うので、今回は全体的なレビューというよりも印象に残った強烈なポイントについて軽く触れてみることとさせてください。 まず、ゲームシステムは極めてシンプル。ボタン一つで「重力」を反転させ、主人公は床と天井を自在に行き来できます。ただそれだけ。しかし、そのシンプルなルールとはあまりにも対照的に、背景のアートは、もはや「執拗」とすら覚えるほど、恐ろしく細密に描き込まれていたのです。一般的な16:9の比率ではない、どこか窮屈な5:4の画面の中に、緻密なドット絵で描かれた異世界の風景がぎっしりと詰め込まれている。その圧倒的な情報量が、プレイヤーに言いようのない没入感と同時に、息苦しささえ感じさせてしまうほどでした。 プレイしながら、ずっと考えていたことが一つ。「なぜ、ここまでやる必要があるのだろう?」。シンプルなアクションゲームであるならば、背景はもっと力を抜いても成立するはず。しかし、このゲームがそうしなかったことに対して、私は、開発者の確固たる「信念」が宿っているのではないかと思ったわけです。「このゲームは、シンプルなアクションだからこそ、この狂気ともいえるアートがむしろ映えるのだ」という、静かな、しかし何よりも雄弁な主張。それは一種の「こだわり」であり、あるいは「業」と呼ぶべきものなのかもしれません。 このゲームが、今回のBitSummitで栄えあるスポンサー賞を受賞したと聞いた時、私は「そりゃそうだろう」と納得しました。数多あるプラットフォーマーゲームの中で、本作が特別な輝きを放っていたのは、このアンバランスさの中に宿る、言葉では説明し難い説得力とオーラがあったからでしょう。ゲームがシンプルだから、その分のリソースをアートに全振りする。なんとインディーゲームらしい、潔い思想でしょうか。 「この部分だけには、誰にも負けないくらいこだわっていました」ともいえるゲーム内の要素に、いつか私も、自分が手掛けるゲームに対して、そんな風に胸を張って言える日が来ると良いですね。そんな少しばかりの羨望と、宿題を心に残して場を去ったBitSummitの一日でした。 コミュ障キリンの一週間:優しい世界で生きる、密かな“共感” 次にご紹介するのは、タイトルからしてどこか他人事とは思えない、ポイント&クリック形式のアドベンチャーゲーム『コミュ障キリンの一週間』です。その名の通り、コミュニケーションが苦手なキリンが、様々な人々と関わりながらなんとか一週間を生き抜く、という物語でした。 ゲーム全体は驚くほどの「優しい」雰囲気に包まれていました。柔らかい色使いのイラスト、穏やかなBGM、可愛らしいキャラクターデザイン。その全てが、プレイヤーを刺激することなく、ただただ穏やかな時間を提供してくれます。しかし、その見た目とは裏腹に、ゲームの難易度はだいぶハードル高かったのです。何度も試行錯誤を繰り返し、与えられた情報やアイテムの使う順番を考え抜かなければ、キリンくんはすぐに途方に暮れてしまう。これは、コミュニケーションが苦手な人間にとって、この世界がいかに困難に満ちているかを、ゲームデザインそのもので表現しているのかもしれませんね。 私がこのゲームで最も心を動かされたのは、そのテーマの「普遍性」でした。本作の開発者はLA(ロサンゼルス)在住の方だそうです。正直なところ、私は「エレベーターで初めて会った人とも気軽にスモールトークを始めるのがアメリカ人」という、極めてステレオタイプなイメージを抱いている人間でして。しかしながらそんなアメリカを舞台にしたゲームの中で、私自身が日常で感じる「もどかしさ」や「気まずさ」が描かれていたのは驚くべきポイントでしたね。人付き合いの難しさというのは、国や文化を超えて誰もが抱える、共通の悩みなのかもしれない、と。そんな当たり前の事実に、このゲームを通して改めて気づかされました私でしたが、開発者ご本人は驚くほどコミュニケーション能力の高い、快活な方だったので「で、どっち?!」と混乱を抱いた次第です。 そして、このゲームはもう一つ、私に別の感情を呼び覚ましました。それは、遠い昔の記憶、いわゆる「インディゲーム」という言葉すらなかった時代に生きていた「FLASHゲーム」の空気感です。シンプルな操作性、子供向けのような優しいグラフィック。かつて、インターネットの片隅で、誰が作ったかも知らない無料のゲームに夢中になっていたあの頃の感覚が、鮮やかに蘇ってきたのです。 当時は、宇宙人に攫われた人間が脱出したり、悪の組織と戦ったりするような、非日常的な物語をゲームを通して体験していました。しかし今、私はインディーゲームという形で、コミュニケーションに悩むキリンの日常に、深く共感している。時代が変わると、ゲームが描く物語も変わってしまうのですね。この『コミュ障キリンの一週間』は、そんな時代の変化と、それでも変わらない人間の普遍的な悩みを、優しく、そして少しだけコミカルに教えてくれる、素晴らしい作品でした。 熱狂のあと、心に残った“問い”と“共感” さて、私モブがBitSummitの熱気の中で出会った、二つの個性的な海外作品について語ってまいりました。『LOVE ETERNAL』が開発者の揺るぎない「こだわり」を見せつけてくれた一方で、『コミュ障キリンの一週間』は、コミュニケーションの難しさという「普遍的な共感」を思い出させてくれました。 一見、全く異なるタイプの二つのゲーム。しかし、その根底には通じるものがあったように思います。それは、作り手の個人的な哲学や体験が、国境や文化という壁を軽々と飛び越えて、遠い日本の、一人のプレイヤーである私の心を確かに揺さぶったという事実です。BitSummitという国際的なイベントの熱気は、単に多様な言語が飛び交う賑やかさだけではなく、こうした「ゲームを通じた魂の共鳴」のようなものを、より強く感じさせてくれたのかもしれません。 これらのゲーム体験は、私に多くの刺激と、同時にいくつかの問いを投げかけてきました。自分の「こだわり」とは何だろうか。自分が本当に伝えたい「共感」とは何だろうか。そんな、ゲーム業界の人間としての根源的な問いに、改めて向き合うきっかけをもらった気がします。 そして、この熱狂の祭典では、もちろん日本のゲームも、そして我々と同じアジアからやってきた韓国のゲームたちも、負けず劣らずの輝きを放っていました。 続く【後編】では、先輩のハナさんが、韓国出身ならではの視点で切り取った「韓国インディーゲーム」の世界をお届けします。私はそろそろ定時で上がりますので、あとはお任せします。では、お楽しみに。

新宿で出会った“読む”ゲームたち―DREAMSCAPE#3濃厚レポート

你好,我是SKOOTAGAMES的Negorabu團隊成員,Mob。在敲擊鍵盤的空檔,靜靜享受沖泡咖啡的香氣已經成為我的日常。 最近,我參加了在新宿Lumine Zero舉辦的專門針對小說遊戲的獨立遊戲展覽「DREAMSCAPE#3」。這是一個專門聚集以「閱讀」為主題的遊戲的活動,雖然相當小眾,但正因如此充滿了深刻的魅力。會場被熱愛故事的創作者和玩家的靜謐熱情所包圍。 在這次報告中,我想介紹在DREAMSCAPE#3中遇到的三款特別吸引我的個性化小說遊戲。雖然一口氣說「小說遊戲」,但其表現方式和主題各不相同。讓我們來看看那些讓人無法停止翻頁的作品。 今天一定要_不醉倒_絕對!:宅飲的夜晚,酒杯背後搖曳的“友情”和“真心” 首先介紹的是由街八ちよ製作的『今日こそは_酔い潰れない_絶対に!』。光是從標題就讓人感到一種似曾相識的親切感(苦笑)。 故事的主角是20歲的大學生「有馬」君。他和朋友辰巳君在家裡喝酒,調整酒量,目標是能夠不醉倒地持續對話,這是一款相當具有roguelike風格的冒險遊戲。可愛的像素角色與其背後的遊戲機制形成鮮明對比,若不小心喝多了就會立即遊戲結束,必須從頭開始,這樣的嚴苛難度反而激發了「這次一定要成功!」的挑戰欲望。 官方網站上也有提到,本作包含所謂的BL元素。不過,即使是像我這樣對這方面不太了解的人,角色之間的互動也讓人感到愉快,作為青春的一個清新片段來享受。然而,這款作品的有趣之處在於,它並不僅止於此。角色們在不經意間展現的舉止和台詞,正因為有BL這一元素,才讓人不禁想「接下來會發生什麼呢…?」這樣的想像力被激發,讓人感受到故事的深度,這種微妙的平衡感令人驚豔。 驚人的是,這款『今日こそは_酔い潰れない_絶対に!』目前在「小說收藏」中免費公開。每次遊玩約5分鐘的輕鬆體驗,卻有三種結局可供達成,且每個結局的條件都值得思考,這樣的精緻程度讓人難以相信是免費的。角色們細緻的像素動畫,越看越讓人產生親切感。 每當在活動中接觸到各種遊戲時,我總是會想,「只是有趣的遊戲」和「讓人想要談論的遊戲」之間,似乎有些相似卻又有所不同。這款作品正是後者,玩家們能從角色們的隨意一句話或行為中讀取不同的情感,並想要與他人分享…這樣的「空白」讓我感受到。根據開發者街八ちよ的說法,未來的新作也計劃免費公開。如果你讀到這篇文章後感到一絲興趣,不妨試著陪伴有馬君和辰巳君的宅飲之夜。 柘榴團地:日常中潛藏的“規則”和監視器後的不安視線 接下來介紹的是由きじなご製作的一人稱視角恐怖冒險遊戲『柘榴團地』。在城市的某處貼著「團地公寓日班警衛招聘中」的海報,以及隨之而來的幾條奇怪的「規則」。光是這些就已經讓人明白了吧?是的,這是一款濃厚的「拿坡里坦怪談」風格的作品。 玩家將以某種原因在「柘榴團地」擔任日班警衛,工作為期10天。主要工作是監控警衛室的監視器、接待來客,以及在團地內巡邏。然而,這裡存在著幾條必須遵守的規則。「必須向住戶打招呼」「來客必須在來客名單上寫下本名」…還有,「絕對不可以對穿白衣的女人說話」。若違反這些規則,將會遭遇難以用言語形容的危險,似乎會失去以往的平靜日常…這種暗示讓人感受到強烈的拿坡里坦風格。 遊戲操作非常簡單,採用點擊式操作。然而,這種簡單卻與整個畫面覆蓋的黑色和紅色基調、可愛的角色設計與不協調的實景背景的組合,持續給予玩家一種無法言喻的不安感和「似乎會發生不好的事情」的壓迫感。監視器的顆粒感影像、偶爾驚嚇的聲音、住戶們意味深長的話語…這種逐漸精神上被逼迫的感覺,正是優質恐怖體驗的真諦。 在這款遊戲中,我特別感興趣的是那種「似曾相識的感覺(既視感)」。在警衛室的螢幕上確認訪客並與名單對照的系統,會讓許多玩家想起那款著名的『That’s not my Neighbor』,而透過監視器察覺異變的元素則讓人聯想到『Five Nights at Freddy’s』系列。試玩後,我有機會與開發者聊了一會兒,驚訝地發現他本人提到受到了這些作品的影響。 這種「影響」若不加掩飾,反而以尊重的方式升華,並在此基礎上構建出獨特的世界觀和故事,讓我感受到製作者的認真,以及「想要創作遊戲」的強烈熱情。驚人的是,製作者開始製作遊戲的時間不久,竟然是自學到達這樣的水準。這種推進力,以及將現有有趣元素以自己的方式解釋和重構的才能,讓我深感佩服。因此,僅僅因為「這款遊戲與那款相似」的先入為主的觀念來評價本作,實在是太可惜了。如果有機會看到這款遊戲,請務必親自體驗一下『柘榴團地』的日常。 Day Day Neon Tea:第四面牆的另一邊,珍珠奶茶所連結的“體驗” 最後在這次DREAMSCAPE#3報告中要介紹的是由npckc製作的『Day Day Neon Tea』。這是一款以近未來為背景,提供珍珠奶茶給機器人和安卓人的獨特科幻小說遊戲。試玩時間約5分鐘,雖然短暫,但在這段時間內濃縮了難以忘懷的強烈「體驗」。 遊戲開始時,玩家會被「機器人規制委員會」的工作人員機器人提出幾個像心理測試一樣的問題。隨著回答問題,故事展開…不久後,該工作人員機器人會說「我稍微離開一下」,然後就消失在畫面上。這時會讓人想「咦?」但真正的驚喜在後面等著。 其實在這款遊戲的試玩台上,桌子上放著一張小冊子。隨意拿起來翻過來,裡面用手寫風格的字體寫著「不要相信委員會!!如果工作人員離開,畫面變成螢幕保護程式,請點擊畫面左上角!讀完後再翻回來!」這樣的震撼信息…。按照指示點擊畫面左上角,隨即出現了與之前完全不同的隱藏畫面,故事開始朝著意想不到的方向發展。這正是打破遊戲世界與現實之間「第四面牆」的演出,這個設計讓我感到「原來如此」的讚嘆。 老實說,這款『Day Day Neon Tea』的試玩體驗,直接想像成PC或主機遊戲的完成形狀可能有些困難。因為這是一款在「DREAMSCAPE#3」這個活動的那個地方、那個瞬間才能最大限度發光的極具實驗性和概念性的作品。 然而,正因如此,這款遊戲體驗深深刻在我的記憶中。試玩後,我看到製作者與其他玩家愉快地交流遊戲感想,突然想到,也許這款遊戲的真正目的不僅僅是單方面提供一個完整的故事,而是在這個活動的場域中,通過遊戲這一媒介,讓人與人之間相互連結,分享驚喜和樂趣,這種「體驗」本身才是設計的核心。 npckc過去也發表了許多個性化的作品,每一部都以自由的發想不受現有類型和框架的限制。此次的『Day Day Neon Tea』也許在借用小說遊戲的形式的同時,其實質上更接近於「體驗型藝術」。如果有因為「只是小說遊戲的活動」而錯過DREAMSCAPE#3的參加者,我希望你們能知道,這裡面有如此刺激且顛覆固定觀念的作品。 在DREAMSCAPE中接收到的故事“接力棒” 這次介紹了三款個性化的「閱讀」遊戲,大家覺得怎麼樣呢?宅飲夜晚中無聊對話中潛藏的人際關係微妙之處的『今日こそは_酔い潰れない_絶対に!』。日常中潛藏的規則和監視的恐懼的『柘榴團地』。以及,跨越第四面牆連結現實與虛構的『Day Day Neon Tea』。 這些作品共同讓我感受到的,是它們不僅僅是「有趣的故事」,還向玩家提出了某種問題,讓人思考,並且想要與他人分享這種體驗的「空白」和「熱量」。特別是「DREAMSCAPE」這個專注於小說遊戲的活動,讓創作者們更容易挑戰更深刻、更個人化的主題和實驗性表達。 會場雖然沒有大聲的歡呼或華麗的演出,但每個展位的開發者們都熱情地講述著自己作品的心聲,玩家們則以認真的目光沉浸在那個故事世界中…這樣的靜謐卻充滿確實熱情的空間,讓人重新認識到故事所擁有的根本力量,這是一幅美好的景象。 此次的DREAMSCAPE#3,讓我再次深思「故事是什麼」「在遊戲中講述故事的可能性是什麼」。我確實感受到從那裡遇到的優秀作品和創作者們手中接過了熱情的“接力棒”。這根接力棒,我必須將它傳遞到我自己的遊戲創作中…懷著這樣的新決心,我想結束這次的報告。