Hello, I am Mob from the Negorabu team at SKOOTA GAMES. Recently, I was at the venue of the world’s largest gaming festival, the “Tokyo Game Show 2025,” held at Makuhari Messe. The overwhelming wave of people filling the venue, the sounds and lights resonating from the gigantic booths, and
東京ゲームダンジョン9:ゲームが投げかける“問い”と、開発者が探す“答え”
こんにちは、SKOOTAGAMESのネゴラブチームに所属しております、モブです。 さて今回も、8月3日(日)に東京・浜松町で開催された「東京ゲームダンジョン9」へ、足を運んでまいりました。3~4か月という短いスパンで開催されるこのイベントは、もはや私にとっても馴染み深いものとなりつつあり、会場の扉をくぐると、どこか「帰ってきた」ような感覚さえ覚えてしまうほど。夏の盛り、外の暑さに負けないほどの熱気をそこで感じてきました。 同じくゲームを作る一人の人間として、こうしたイベントに参加するたびに、いつも一つの問いが頭に浮かびます。「一体、何がこれほど多くの作り手を、この場所へと駆り立てるのだろうか」と。そこで今回は、その問いの先に続く、もう少しだけ踏み込んだ質問を、各開発者の方々に投げかけてみることにしたのです。 一つは、「今回、東京ゲームダンジョンに参加された理由は?」。 そしてもう一つは、「ご自身が考える“良いゲーム”とは何ですか?」という、少し踏み込んだ質問です。 興味深いことに、いただいたお答えは、奇しくも彼らが展示しているゲームそのものに、深く結びついているように感じられました。まるで、一つ一つのゲームが、作り手自身が導き出した「良いゲームとは何か?」という問いに対する、それぞれの“答え”であるかのように。 今回のレポートでは、そんな熱気に満たた空間で私が出会った、四つの個性的な“問い”と“答え”の記録を、お届けしたいと思います。 レイチェルの思い出:キーワードで紡ぐ、記憶と時間のミステリー 今回の東京ゲームダンジョン9で、私が最初に足を運んだのは、以前から何度もブースを通りかかり、ずっと気になっていた作品、『レイチェルの思い出』でした。イベントに出展する開発者の方々の声を聞く、という今回のレポートの趣旨にも、まさにぴったりのタイトルだと思ったのです。 本作は、タイトルにもなっている少女「レイチェル」が、主人公「鹿島かをり」の目の前で命を落とすという、多少ショッキングなシーンから幕を開けます。(血の表現が苦手な方は、少し注意が必要かもしれません。)偶然手に入れたタイムマシンでレイチェルが死ぬ前の時間に戻った鹿島を通して、プレイヤーは二人の関係、そして事件の真相を、記憶の断片を辿りながら解き明かしていくことになります。 このゲームで特に印象的だったのは、そのゲームシステムでした。プレイヤーは過去の出来事を追体験する中で、物語の鍵となる「キーワード」を自ら抽出します。そして、そのキーワードが、次の展開へ進むための「正解」となっていく。何より驚かされたのは、この一連の流れが、プレイヤーにストレスを感じさせることなく、非常に自然な形でデザインされたという点です。物語の謎を解けたいという純粋な好奇心が、キーワードを探すというゲームプレイのモチベーションへと直結し、気づけばぐっと物語の世界に引き込まれている。そんな絶妙なバランス感覚に、私は感心させられました。 短い試遊時間ではありましたが、物語の導入部が持つインパクトと、ノベルゲームとしての完成度の高さは、特筆すべきものがあったように思います。そして、誰でもすっと世界に入ってこれる本作の親切な設計は、まさしく開発者の方が考える「良いゲーム」の定義そのものにありました。 開発者への二つの質問 さて、今回私は各ブースで、開発者の方に二つの同じ質問をさせていただきました。『レイチェルの思い出』の開発者の方は、次のように答えてくださいました。 ――今回、東京ゲームダンジョンに参加された理由は? 誰でもプレイしやすい環境ですし、開発者にとってもユーザーにとっても、とても親切なイベントだと思います。机も大きくて使いやすいですし。また、短いスパンで開催されるので、開発の進捗を出す上でのモチベーションにもなっています。 ――ご自身が考える「良いゲーム」とは? 誰でも簡単に入れて、プレイができるゲームです。個人的に、複雑なルールや操作性のゲームは苦手だと感じてしまうので…。だからこそ、このゲームでも、誰もがすっと世界に入ってきて、自然にルールを理解して遊べるようなゲーム性を目指しました。 _turing:AIとの対話が生む、心地よい“時間” 次に足を運んだのは、ブースで配布されていた一枚のステッカーがきっかけだったノベルゲーム『_turing』でした。メインキャラクター「アイリス」ちゃんの横顔が描かれた、美しいピクセルアートのステッカー。ちょうど開催日が重なり、視察を断念した「Pixel Art Park 8」への心残りを、少しだけ癒してくれるような出会いでしたね。 『_turing』は、AIとのチャットを通じて物語を進めていく、インタラクティブ・ノベルゲームです。PCゲームとしては珍しい縦長のディスプレイもさることながら、やはり目を引いたのはその独特の雰囲気でした。色数を抑えたように見えるゲーム画面、静かにかつ少し動いたりするアイリスの様子。その全てが、プレイヤーを急かすことなく、ただそこにいることを許してくれるような、不思議な心地よさを生み出してくれていました。「ただ、この子と雑談をしているだけでも、きっと楽しいだろうな」と、プレイしながらもそんなことを考えてしまうほどです。 もちろん、ゲームとしての作り込みも丁寧だと思います。AIを活用したゲームらしく、プレイヤーの入力によって多くの物語の分岐が用意されているとのこと。試遊中、名前を尋ねられて答えると、その名前がきちんとUIに反映されるといった細やかな配慮にも、開発者の方の誠実な姿勢が感じられました。 本作は現在Steamで配信中とのことですが、個人的には、いつかストーリーの攻略とはまた別に、ただアイリスちゃんとのんびり会話を楽しむだけのモードが追加されたら嬉しいな、なんてことを夢想しているひと時でした。 開発者への二つの質問 『_turing』の開発者の方は、私の二つの質問に、次のように答えてくださいました。 ――今回、東京ゲームダンジョンに参加された理由は? ユーザーの方に直接会って、こうやって話ながらその体験や感想に触れることができるイベントだからです。 ――ご自身が考える「良いゲーム」とは? ユーザーが、自らの手で物語を書き換えていくような体験ができることだと思います。『_turing』もその思いを込めて作った作品です。 ∀stround:イベントと共に“成長”する、無重力シューティング 『∀stround』は、私にとって旧知の仲、とでも言うべき作品です。というのも、過去の東京ゲームダンジョンで、既に何度かその姿を見かけていたからです。無重力空間を回転しながら敵を撃ち落とす、というコンセプトのカジュアルなシューティングゲーム。数ヶ月前に一度プレイしたことがありました。 正直に言うと、その時の私の感想は「惜しい」そのものでした。グラフィックもゲームのコンセプトも素晴らしい。しかし、キャラクターの移動とエイムを別々に操作する独特のシステムに、なかなか慣れることができなかったのです。ゲームの面白さを理解する前に、次々と現れる敵に襲われ、悔しい思いでブースを後にした記憶があります。 しかし、今回改めてプレイした『∀stround』は、あの頃とは全く違う手触りでした。エイムを補助してくれる機能や、体力を回復できるアイテムがたくさん追加されたことなど、プレイヤーを配慮してくれる要素が随所に足され、以前感じたとんでもない難しさが、見事に「歯ごたえのある面白さ」へと昇華されていたのです。プレイ後に残る後味の良さが、以前とは全く違うものでした。 これはきっと、開発者の方が何度もイベントに出展し、多くのプレイヤーの声に耳を傾け、試行錯誤を繰り返してきた努力の賜物なのでしょう。東京ゲームダンジョンに通うたびに思うのは、新しいゲームとの出会いと同じくらい、こうした「再会」が増えていくということです。そして、その再会のたびに、ゲームが少しずつ、しかし確実に成長していく姿を目の当たりにできる。それはまるで、経験を積んでレベルアップしていくRPGのキャラクターを見守るような、不思議な喜びがあります。これこそが、このイベントの持つ大きな意義の一つなのかもしれませんね。 開発者への二つの質問 『∀stround』の開発者の方の答えは、私が感じたゲームの「成長」の理由を、裏付けてくれるものでした。 ――今回、東京ゲームダンジョンに参加された理由は? ユーザーと頻繁に、しかもたくさん会えるイベントだからです。プレイヤーがどんな画面と向き合って、どんな反応をするのかを直接目で見れること、そして実際に感想を聞くことを通して、より良いゲームバランスを見つけ出していくことを目指しています。 ――ご自身が考える「良いゲーム」とは? プレイヤーが常に判断しなきゃいけないゲームです。例えばこのゲームなら、回転という要素の中で、目の前の敵を撃つべきか、それとも敵がいない安全な場所へダッシュして逃げるべきか。そういった判断を、常にプレイヤーにせめることを意識しています。 黒くないカギで開かないドアはない:言葉の“ルール”で世界を書き換える遊び 最後に紹介するのは、Studio ZeFさんが手掛けるパズルプラットフォーマー、『黒くないカギで開かないドアはない』です。以前、別のレポートでZeFさんの『Tournamentris』を紹介したことがありますが、それからまだ5ヶ月も経っていないという事実に、時の流れの速さよりも「もう新作を?」という驚きが先立ちました。こんな短いスパンで、全く異なる、それでいて確かな面白さを持つ作品を生み出し続ける。その創作の速度と熱量には、ただただ圧倒されるばかりです。 さて、本作のルールも非常に独創的です。プレイヤーは、世界の法則を司る文章から「ない」という言葉を抜き取ったり、別の文章に付け加えたりすることで、その空間を支配するルールそのものを書き換え、道を切り拓いていきます。例えば、「カギは重くない」という文章から「ない」を抜き取れば、「カギは重い」となり、宙に浮いていたカギが地面に落ちてくる、といった具合です。 一見すると、ルールと文字だけで構成された無機質な世界のようですが、その実、このゲームは驚くほど「遊び心」に満ちています。抜き取った「ない」を別の場所に付けてみたり、文章の長さを利用したトリックが隠されていたり…。その仕掛けの数々に触れるたび、私はこの無機質な世界の中に、確かな人間的な“体温”のようなものを感じていました。 試遊後、開発者のZeFさんと少しお話しする機会があったのですが、私が「どうしてこんなに速いスピードでゲームを次々と作れるのですか?」と尋ると、ZeFさんは笑いながら「ゲームを完成させないからです」と答えてくれました。…では目の前にあるこのゲームは、一体何なのでしょうか。そんな哲学的な問いはさておき、その言葉の裏にある、ZeFさんの創作に対する姿勢が垣間見えたような気がしました。 開発者への二つの質問
Crossing Borders: The “Heat” of Indie Games – BitSummit the 13th Joint Report [Hana Edition]
Nice to meet you. My name is Lee Hana from the SKOOTA editorial team. This year’s summer in Kyoto was really hot, wasn’t it? Following the wonderful report delivered by my junior, Mob, in the 【first part】, I, Lee Hana, will be in charge of this 【second part】. While Mob