2024/10/09
事件白書Part2となる今回は、個人的上半期ナンバー1事件だった出来事について書きたいと思う。
それは、「Kep1er、7人体制での契約延長」だ。
何故契約延長が事件になるの?と疑問に思う方もいるかも知れないが、それはこれまで一度たりとも叶わなかった、不可能だと思われていた「期間限定グループ」の活動延長を現実にしてしまったからなのだ。
これはKPOP史に残る事件と言っても過言ではない。
Season1#1でKep1erを取り上げた際に書いた通り、Kep1erは2024年7月3日をもって活動終了、つまり解散する事はファンにとっては周知の事実だった。
何故なら、これまでMnet主催のサバイバル番組で誕生し、期間限定グループとしてデビューした全てのグループは例外なく、元々予定されていた活動期間終了と共に解散していたからだ。
Kep1erは2022年1月3日にデビューし、2年6ヶ月という活動期間が設けられており、7月3日を過ぎての活動は99%あり得ないと誰もが思っていた。
その大きな理由に、メンバーそれぞれ違う事務所に所属しており、全ての事務所と延長合意する事は不可能だと思われていたからだ。
現にマシロとイェソの所属する143エンターテイメントはKep1er延長に合意しなかった。
そして、マシロとイェソが抜ける=Kep1er解散であると勝手にファンが解釈していた節がある。
同じくMnetのサバイバル番組からデビューし、あれほど人気のあったIZ*ONE(現IVEのチャン・ウォニョン&アン・ユジン、現LESSERAFIMのチェウォン&サクラが所属していた)も、ほとんどの事務所とは合意出来たものの、一部の事務所と合意することが出来ず(IVEのデビューを準備をしていたSTARSHIPエンターテイメントが延長合意しなかったと言われているが真偽は不明)、予定通り2年6ヶ月で活動を終えていた事も、ファンがそう解釈した要因の一つであると思う。
従って、全事務所と合意出来ない限りKep1erの契約延長はあり得ないと著者も思っていた。
ではここで、契約延長がどのように報道されたか時系列で見てみよう。
2023年
9月23日 契約期間延長に向けて各事務所と交渉中の報道が初めて出る。
2024年
1月12日 WAKEONE(Kep1erの所属事務所)は契約延長を諦めておらず、引き続き各事務所と前向きに協議中と報道。
5月16日 7人組として再編成しての契約延長報道。事務所は報道を受け、「メンバー及び各事務所と議論中」とコメント。
5月17日 前日とは一転して各事務所との交渉に失敗。契約延長白紙の報道が出る。
5月30日 7人組として契約延長正式発表。
というような流れだった。
ここで注目したいのが、実は去年の9月の段階で延長に向けて交渉中という報道が出ていた点だ。
しかし、この時はどうせお決まりの延長アリバイだろうと思って誰も真面目に受け取っていなかったように思う。
IZ*ONEの時もWanna One(Mnetサバイバル番組から誕生したボーイズグループで2年6ヶ月で活動終了)の時も延長に向けて協議中と報道がされても、結局は予定通り解散した過去があったからだ。
そして、活動終了まで1ヶ月半となった5月16日に突然7人での延長というニュースが出て、ほとんどのKep1ian(Kep1erのファンネーム)は否定的だったように記憶している。
かくいう著者も9人で無いのなら延長反対派だったし、7人での延長はメンバーも望んで無いと勝手に決めつけていた。
次の日には延長白紙の報道が出て、まぁやっぱりそうなるよねと誰もが思った。
6月3日に発売される1stフルアルバム「Kep1goingOn」がKep1er最後の活動になるとKep1ian皆んなが思っていた。
7月13〜15日にKアリーナ横浜で行われるコンサートが解散コンサートになると誰も疑ってなかった。
ところがアルバム発売直前の5月30日に7人での契約延長が正式に発表されたもんだから、全世界のKep1ianが驚愕した。
と同時に複雑な気持ちの人が多かった。
特にマシロとイェソのファンはX(旧Twitter)で荒れていた人も少なくなかった。
それはそうだろう。
推しは居なくなるのにグループが存続してしまうのだから。
そして著者自身もとても複雑な気持ちだった。
推しのユジンが残ってはいるものの、7人となったKep1erを変わらず推し続けられるかこの時は正直分からなかった。
だが、9人最後のコンサートとなったKアリーナ横浜でのコンサートを3日間全通して、彼女たちのパフォーマンスに心打たれた。
9人最後のコンサートを悔いのないように全力でパフォーマンスをやり切るその姿と、「7人になっても私たちは進み続けるから一緒にこれからも付いてきて欲しい」という気持ち両方を感じ、7人での契約延長を初めて肯定的に捉えることが出来た。
きっとファンには分からないほどに悩んで出した結論で、Kep1erのメンバーはもっと高いところに行けると信じているのがヒシヒシと伝わってきた。
これまで前例のなかったMnetサバイバル番組から誕生した期間限定グループ初の契約延長を成し遂げたKep1er。
そんな彼女たちなら、ここからさらに高みを目指すことだって夢じゃないと思わされた。
そして、Kep1erとしての活動を終えたマシロとイェソは143エンターテイメントに戻り、新たなメンバーと共に、奇しくも新生Kep1erと同じ7人組としてMADEINという新しいグループで9月3日に再デビューを果たした。
対して7人となったKep1erは最近も精力的に活動している。
7月にはKCON LAで7人としての初パフォーマンスをし、8月には日本初開催となったThe Fact Mucic AwardsでGlobal Generation賞を受賞し、9月にはKCON Germanyで新曲「sync-love」を初披露し、もうすぐ来るであろうカムバック(11月1日カムバックが正式アナウンスされた!)に期待を抱かせた。
KPOPの歴史上初の「期間限定グループ」の契約延長という大事件を起こしたKep1erの、
それぞれが新しい道を進み始めた7人と2人を、1人のKep1ianとして今後も見守っていきたいと思う。
了
猫町ぺこー
SKOOTA KPOP部チーム長
〈元々は洋楽ロックオタクで一時期ロッキンオンに就職しようかと思っていたほどの音楽通。BTSキッカケでKPOPを聴くようになりその後BLACKPINKにハマり、KPOP沼に片足を突っ込む。サバイバルオーディション番組『Girls Planet 999』通称ガルプラにどハマりし、ここからデビューしたKep1erのガチオタとなった結果、両足をKPOP沼に突っこむ事となった〉