本読むのが好きで、読みきれない程の本を買って机の上に積んでしまうのが「積読」で、プラモを作るのが好きで、作りきれない程プラモを買って箱の山を作ってしまうのが「積みプラ」らしい。私の場合、今模型作りを始めたら、仕事を全然しなくなりそうなので、箱を積むのさえはばかられ、ぐっとこらえてときどき模型サイトなんかを検索して模型欲を散らしている。

模型作りたいけど、積みプラする気力も胆力も無い半端者にとって、インスタなんかで模型の画像や動画がUPされまくってる状況はある意味パラダイスで。世界中の腕利きのモデラーたちが、ありとあらゆる方面の作品を公開してるから。

SNSで見る模型の話で言うと、まずはこういう凄腕の情景模型師の作品が目に止まった。当時関わっていたアニメーションの、背景美術の方向性を探るために、「工作」とか「風景」とかで検索してたら出会ってしまった感じ。それでこの手のポストをなんとなく目で追うようになった。

 
 
 
 
 
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そうすると、関連して造形・模型関係のポストがプッシュされるようになる。インスタだと、なぜか鉄道模型も多い印象。特に海外勢(主としてアメリカかな)の巨大鉄道模型は、定番として大編成の貨物列車を動画であげてくるのが面白い。一番長くつないだ子誰だ合戦でもしてるのか。

 
 
 
 
 
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あとはフィギュア系も多い。(フィギュア系はインスタよりもPinterestの方がよほど多いかもしれないけど。)キャラクター・造形系の話題もこのコラムでは取り上げていくことになると思う。

 
 
 
 
 
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それにしてもつくづく模型好きにとっては良き時代だと思う。子供の頃は「よくできた模型の写真」だって世の中にそんなに出回ってなかった。

一応バックボーンを少し。子供の頃はプラモ。好んで作ったのはタミヤのミリタリーミニチュアシリーズの戦車(ご多分にもれず、旧ドイツ軍メイン)、それとハセガワとかフジミとかが山ほど出してたウォーターラインシリーズの軍艦(これは概ね日本のもの)、それと戦闘機(これは米軍のジェット機をたくさんつくった。とくにファントム。なんかしらんけどファントムたくさん作った気がする。ありがとうハセガワ。)など。こう並べるとスケールモデル(実際にあるものを、1/35とか1/72とか1/700とか正確に縮小した模型)ばかり作ってたみたいに聞こえるけど、最初はやっぱりガンプラで、これもたくさん作ったと思う。うっすらとだが、ガンプラが最初に売り出された日のお祭り騒ぎも覚えてるような気がする。私は幼すぎて自分が直接手に入れたとかではないけれど、近所の模型屋の店先にファーストガンダムのプラモがどかどか山積みになって、子供達が群がっていたのを見たような。

あと面白かったとこではスペースシャトルとかも作った。お馴染みのものなのになかなかプラモ化されないものもあって、そういうのはやはり魅力的。デコトラのプラモもあって、それはちょっと惹かれたけど結局手が出なかったもの。屋台のプラモとか、お城系もついに手が出なかった。

数年前にバンダイが地球深部探査船 「ちきゅう」のスケールモデルを出してたけど、あれは思わず衝動買いしそうになって、必死で踏みとどまった。接着剤無しで組み立てるタイプなのかな、写真でみるとかなり甘めのモールドだけど、山ほどのパーツを嵌め込んでいくのはパズルっぽくもあり、楽しそう。ガチの艦船模型は別世界なので、その話題はそのうちにまた。

まあ、当時私がやってたのはあくまで子供の遊びなんで、そんなに上手に作れてたとは思えないのだけど、造形や構造に関する肌触りとかは、模型作りをやってたことで自然と習得したんだと思う。あと工作系の基礎技術と。

当時タミヤから出版されていた「バーリンデン情景作品集」てのがあって、これを擦り切れるくらい眺めていた。35分の1サイズの戦車のプラモについてくる兵隊さんの模型が、情景作品の中で、まるでドラマの1シーンのようにいきいきと再現されてるのを見て、いったいバーリンデンなる人物の魔術的な腕前はどうなってんだと、ずっと憧れていた。パーツや工具が整然と並べられた彼の仕事場の写真にも痺れた。 当時は街中に小さな模型屋がけっこうあって、だいたいそういう店のショーウインドウには、店のオヤジが作ったと思われるプラモが飾られていた。けっこう上手なものもあったけど、やはりバーリンデンの情景写真は別次元に見えた。

模型屋でもらったタミヤニュースなんかも模型心をくすぐるもので、よくよく眺めていた。鳥山明が模型コンテストで金賞をとった時の作品の写真を見かけたのもその頃。(ハイヨー!シルバー!、鳥山明で画像検索したら今ではすぐに画像を見ることができる。)そんなわけで、私にとって鳥山明は、ドラゴンボールやアラレちゃんというよりも、本当は一日中プラモを作ってたいのに漫画を描き続けることを宿命づけられた可哀想な人、という認識だった。(本当のとこどうだったのかは知らない。)

インターネットが登場するよりもずっと前の話だから、情報は本や冊子やチラシや、あとは模型屋の店頭や店主の話、模型好きな親族を持つあまり親しく無いクラスメートの噂話とかしかない。出会いベースの話だから、なかなか情報は増えない。手元にある雑誌とかカタログとかは、だからめちゃくちゃ読み込んだ。あまりにも繰り返し見てたから、今でもどういうシーンが掲載されてたか、かなり覚えている。(本自体は引越しとかなんとかで、どこかに行ってしまった。) プラモ作ってると、他のことが全くできなくなるのと、ちょっとどこかに後ろめたい気持ちもあって、長じてからはプラモとか模型からはなるべく距離を置いてきたが、時々発作のように模型欲が嵩じることがあって、そんな時は大体書店の雑誌コーナーで模型誌を立ち読みするか、数年に一度は家電量販店のトイフロアの模型コーナーで、山積みのプラモの箱とか工作資材とかを眺める。最近は、たぶん万引き対策だろうけど、プラモ箱も書店の漫画みたいにラップでぐるぐる巻きにされて中が見れなくなった。見るだけモデラーとしては、ランナーにくっついた部品の山を見るだけで禁断症状が少し和らぐのだから、それが叶わない現状には少々フラストレーションは感じる。

だからインスタとかピンタレストで模型や情景作品の画像が出回ってくれて本当に助かる。

 
 
 
 
 
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それにしても鉄道模型映像多すぎないか?(最初に鉄道模型系の人たちをフォローしたから、でしかないのだが。)

以前からアメリカの鉄道模型ファンは、模型を作るより、広い敷地(庭とかふくめ)に線路を複雑に這わせて、模型の列車を走らせるのを好む、という話は聞いていた。インスタを見てると確かになーと思うことが多い。とにかく敷地広い家も広い、そこにOゲージとかHOゲージの、でかいサイズで再現された大陸横断鉄道のパワフルなディーゼル機関車と、大編成の貨車たち、20両とか30両とか、もっとか?それが鉄橋を通るところとかトンネルから出てくるところを動画で延々と見せてくれる。アメリカの機関車の派手なカラーリングは照りつける太陽と埃っぽく乾いた大地を想起させ、また大きなモデルは細部の作り込みもしっかりしていてアップに耐える精度だから、動画を見てるだけでしっかりと堪能できてしまう。大編成をさらに複数走らせて、すれ違いをさせたりしてる動画まである。これは萌える。てかどんだけ貨車持ってんねん。まあそのへんは羨んでも仕方ないので映える映像を撮って公開してくれていることに素直に感謝するとする。

鉄道模型と言えば、庵野秀明が実写映画「ラブ&ポップ」で、スタジオにGゲージ(Oゲージよりもさらにでかいやつ。撮影ではGゲージを使ったらしい。)の線路を張り巡らせ、鉄道模型の上にビデオカメラを載せて、制服着た演者の股の下を潜らせたりしてましたが、あれは少女たち=怪獣ってことなんでしょうか。 ラブ&ポップをオンタイムで見た頃は、民生用ビデオカメラ(DVカメラ)の性能が向上して、業務や作品制作にも十分使えるじゃん!ってなり始めた時期で、やっぱカメラ小さいといろいろ工夫ができていいよね、ってとこばかり注目しちゃってましたが、内心「映画作りしながら趣味的欲求を叶えるってのいいな」という悪魔の囁きを初めて聞いた瞬間でもありました。

昨年青森に出張した際に、青森県立美術館にお邪魔したのですが、ちょうど庵野秀明展やってたので、ついでに見ることができた。展示の中に、シン・エヴァンゲリオン劇場版:||のメイキングで散々映ってた、第3村の再現模型があって、東京ではすごい人でごったがえしてたらしい展示も、青森ではゆったりと見れる(なんなら第3村の模型見てるときはほとんど貸切状態だった!)ので、いろいろなアングルで撮影して遊べたのだけど、レンズ交換できるカメラとか持って行ってなかったの後悔しきりでした。 映画の作劇で、あの模型がどこまで活かされたのかはわからないけど、第3村みたいに監督の想像でしかない空間をスタッフと共有し、なんならどこから撮影したらいいですかね、みたいな相談をするには、あの規模の模型づくりもありなのかもしれない。いやほとんど趣味じゃん?鉄道模型のレイアウト作りの、特大版みたいなもんじゃん?そもそも絵に不自由がないんだから描いたらいいのにとも思うけど、それに対して「自分自身の構図以外の発見をスタッフにもしてほしい」みたいなことを真剣に言われちゃうと、まあその理屈はわからんではないし、それでこの模型が見れるなら、ファンとしては良し。 そういえば宮崎駿も、ハウルの動く城の模型つくってもらってたし、紅の豚の飛行艇の模型も作ってもらってた気がする。飛行艇は原作掲載してた模型誌のファン企画だったかもしれない。立ち読み情報なので記憶が曖昧ですまん。

話がそれちゃったので、次回も鉄道模型の話が続きます。

はらだ