2024.05.10

2023年デビュー組から第5世代と言われ始めたKPOPアイドル。

昨年はそんな第5世代ボーイズグループ台頭の年だった。

Kep1erが誕生した「Girls Planet 999」の男性版「BOYS PLANET」から生まれたZEROBASEONE(通称ゼベワン)を皮切りに、SMエンターテイメントがボーイズグループとしてはNCT以来7年ぶりに満を持してデビューさせたRIIZE、HYBE傘下のPLEDISエンターテイメントがSEVENTEENの弟分としてこちらは実に9年ぶりとなるボーイズグループTWS、さらにもう一つHYBE傘下のKOZエンターテイメント(Block Bのジコが代表を務める会社)からジコプロデュースによりデビューしたBOYNEXTDOOR(通称ボネクド)。

そして、9月にRIIZEをデビューさせたSMが日テレ及びHuluでオーディション番組を行い、NCTの派生グループとして日本拠点のNCT WISHを年明け早々に日韓同時デビューさせた。

このように大手事務所が競い合うように次々と新人ボーイズグループをデビューさせた反面、新人ガールズグループは正直パッとしなかった2023年。だが、2024年はその反動なのか、早くも大型新人2組の激しいバトルが繰り広げられている。

まず1組目は昨年放送されたオーディション番組「R U NEXT?」から生まれたILLIT。

HYBE傘下BELIFT LABに所属し、同事務所のオーディション出身であるENHYPENの妹分という立ち位置なのだが、このアー写を見てもわかる通りHYBEの先輩グループNewJeansの妹分と言われた方がしっくりくる。

ザラついたフィルム調の質感といい、全員黒髪でアンニュイな表情といい、どこを取っても正当なNewJeansの妹感。

デビューアルバム「SUPER REAL ME」に収録されているタイトル曲「Magnetic」はNewJeansが流行らせ、現KPOPを席巻しているイージーリスニング曲でありながら、NewJeansとの差別化もキチンと図られている。

どこか、毒気と影を帯びている世界観のNewJeansに対して、ILLITは夢幻的でおとぎの国の少女のような儚さを感じさせる世界観になっている。

これはおそらく、NewJeansのプロデューサーであるミン・ヒジンが関わってないからこそ表現できたコンセプトなのであろう。

ミン・ヒジンは必ずどこかにダークな要素をブチ込んでくるので、彼女が関わっていればこんなに毒気のないアイドルにはなっていなかった筈だ。

そして、それが功を奏しKPOPオタクだけでなくあっという間に大衆にまでその人気は波及している。

オタク人気指標の証である音盤初動売り上げは38万枚を超え、NewJeansの持つ31万枚の記録を塗り替え、歴代ガールズグループのデビューアルバム新記録を樹立。

大衆人気指標の証である音源成績は韓国最大の音源チャートMelon TOP100で、初日93位スタートからじわじわと順位を上げていきリリースから2週間で1位を獲得。

さらにグローバル成績も好調で米Billboardのグローバル200で8位、グローバル(米国を除く)で2位を獲得。

これは歴代KPOPグループのデビュー曲としては最高記録。

現KPOPガールズグループTOP5であるNewJeans、LESSERAFIM、IVE、aespa、(G)I-DLEに早くも肩を並べたと言っても過言ではないくらいの成績を叩き出している。

だが、そんなILIITの音盤初動売り上げ記録を早々に抜いたグループが現れる。

それはガルクラの雄YGエンターテイメントがBLACKPINK以来7年ぶりにデビューさせたBABYMONSTER。

デビューアルバム「BABYMONS7ER」は、ILLITの音盤初動売り上げ38万枚を超える、40万枚を記録しILLITの作った歴代ガールズグループの初動記録をあっという間に塗り替えしてしまった。

これは、IVE、Kep1er、NMIXX、LESSERAFIM、NewJeansと立て続けにモンスター級グループがデビューし、デビューアルバム売り上げ記録を後にデビューするグループが続々と塗り替えるという音盤売り上げ競争を繰り広げていた2022年を思い出さずにはいられない(IVEは正確には2021年12月デビュー)。

しかし、音源成績はというとILLITに大きく水を開けられた形になっている。

タイトル曲「SHEESH」は韓国Melon TOP100ではリリースから一週間経った現時点では100位以内に入ることが出来ておらず最高順位は141位(4月9日現在)と韓国の大衆人気は付いてきていない。

これはBABYMONSTERがゴリゴリのガルクラグループである事に起因している。

さっきも言ったように今韓国国内ではイージーリスニング曲が流行っており、聞いてて耳馴染みが良く心地いい楽曲を大衆は求めている。

対してBABYMONSTERはその流れからは逆行するかのようにラップパートが頻発する激しい楽曲となっている。

ただ、海外人気の指標となるSpotify成績は悪く無い。

リリース初日から170万ストリーミングを超え、一週間経った今もそれを維持している。

とは言ったもののライバルILLITはリリース初日こそ130万ストリーミングとBABYMONSTERに負けていたのだが、2日目以降も順調に数字を伸ばし、一週間後には330万ストリーミングを超え、BABYMONSTERとは倍近くのストリーミング差がついてしまっており、音源成績でいうと韓国、グローバル共に現時点ではILLITに軍配が上がったと言っていいだろう。

しかし、BABYMONSTERには40万枚を超えるCDを買うオタクが付いているし、「SHEESH」のMV再生数は一週間で9000万再生を超えるなど(ちなみにILIITの「Magnetic」は2週間で約3000万再生なのを考えるといかに凄いかが分かる)、まだまだこの先のこの2組の戦いはどう転ぶかは分からないし、4月18日からいよいよ放送開始する「I-LAND2」から生まれるガールズグループがこの2組の間に割って入ってくる可能性も大いに考えられる。

いずれにしても、2024年のKPOP界は第5世代ガールズグループから目が離せない。


執筆:猫町ぺこー

SKOOTA KPOP部チーム長

〈元々は洋楽ロックオタクで一時期ロッキンオンに就職しようかと思っていたほどの音楽通。BTSキッカケでKPOPを聴くようになりその後BLACKPINKにハマり、KPOP沼に片足を突っ込む。サバイバルオーディション番組『Girls Planet 999』通称ガルプラにどハマりし、ここからデビューしたKep1erのガチオタとなった結果、両足をKPOP沼に突っこむ事となった〉


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