独特なコンセプトで武装したインディーゲーム 〜ゲームパビリオンjp 2025レポート〜【中編】

こんにちは、モブです。前回の記事に続き、ゲームパビリオンjp 2025レポートの第二回をお届けします。前回は「独特な雰囲気を醸し出すミニマルなインディーゲーム」として、小規模ながらも深い没入感を提供する作品を紹介しましたが、今回は少し趣向を変えて「独特なコンセプトで武装した、一方で闇を感じるインディーゲーム」に焦点を当てます。 インディーゲームの魅力の一つは、誰も思いつかなかったような斬新な発想や、それゆえの自由さにあります。今回紹介する二つのゲームは、まさにその魅力を最大限に生かし、一見すると明るく可愛らしい外観の下に、意外な「闇」や複雑さを秘めた作品です。 大阪のイベント会場で出会ったこれらのゲームは、プレイした瞬間に「こんな発想あったのか!」と驚かされると同時に、その裏に隠された深い思考に感心させられました。それでは、早速見ていきましょう。 超絶融合バビおじ症候群:ギャップがもたらすインパクト 続いて紹介するのは『超絶融合バビおじ症候群』です。カジュアルなリズムゲームというジャンルながら、バーチャル配信者をモチーフにした独特なコンセプトが目を引きました。なんと、中身はおじさんなのに見た目は美少女バーチャル配信者という主人公「しらぽん」が、人気配信者を目指す旅を描いているのです。可愛らしいUIとキャラクターデザインから感じられる闇のギャップが印象的で、思わずプレイしてしまったタイトルでした。 プレイ方法はシンプルです。三つのラインに沿って飛んでくるコメントのノーツを、スワイプ、タップ、ホールドを使って処理していくのです。一文で説明できるほど単純な仕組みなので、それほど難しくないだろうと安易に考えていた私の甘い考えを見事に打ち砕くように、このゲームの難易度は予想以上に高かいものでした。 イージー、ノーマル、ハードに分かれた難易度の中で無難にノーマルを選んだものの、なかなかついていくのが難しい。おそらく、会場という環境で曲をしっかり聴けず、動体視力だけでノーツを追いかけなければならなかったことが原因かと。また、慣れないスワイプ・タップ・ホールドという操作方法が相まって、そのような困難に直面したと思いつつですが…結果的に成績はCランク。わずか28人のチャンネル登録者しか獲得できないまま終了してしまいました。残念な結果でしたが、次のプレイヤーが待っていたため、そこで席を離れざる得ませんでしたね。 印象的な点と言えば、やはりゲームのコンセプトでしょう。バーチャルで美少女アバターで配信するおじさんとは…。アイデアとして思いつくことはあろうけれども、なかなか行動に移すのは容易ではない企画だと思います。その意味では、弊社レーベルの『ももっとクラッシュ』の「太ももで魂を挟んで浄化する」というコンセプトを連想させる部分もありました。 参考になったのは、やはりゲームの背景部分です。タイトル画面から暗く映し出される主人公の部屋の中が、あまりにもリアルで目が離せませんでした。黄ばんだ壁紙と薄暗い雰囲気の中のテレビやカレンダー、机の上に置かれたのは新聞とタバコ、そしてビール。そのような風景と対照的な「しらぽん」ちゃんがとにかく可愛いですと。コンセプトを単なるコンセプトで終わらせず、きちんとその闇を感じられるよう考え抜かれていることが伝わってきました。些細だけれども決して小さくない部分ですよね。 時間の関係で多くの会話はできませんでしたが、今回のイベントで初めて出会ったゲームだけに、今後の展開が楽しみです。次は東京のイベントで再会できることを期待しながら、次のゲームに移りましょう。 来りてモグモグ:記憶を手放す先に見える世界 次に紹介するのは『来りてモグモグ』です。イベントの出展情報で語られている説明によると超短編ノベルゲームとのこと。実際にノベルゲームコレクションで公開されたこの作品は、15分という短いプレイ時間を持っていましたが、その内容は決して短いものではありませんでした。このゲームの特徴を一言で表すなら「メタ性」ともいえるでしょう。 ストーリーは、ある日突然プレイヤーの前に現れた正体不明の存在が、ゲーム内に存在する五つの記憶のうち四つを渡さなければならないという話から始まります。主人公が渡せる五つの記憶とは、「名前」「言語」「現実」「音響」「色彩」とのこと。ここで選んだ選択肢は文字通りゲーム内から消えてしまい、プレイヤーはゲーム内のヒントを通じて最後の4つ目の記憶を渡すまでのエンディングを探っていくことになります。 記憶を渡すという独特の世界観と設定、そしてそれがゲーム内要素として反映されるという斬新な構造に興味を覚え、イベント開始前から注目していたゲームの一つでした。プレイ方式は文字通り選択型ノベルゲーム。難しく考える必要はなく、与えられた選択肢を選ぶだけのシンプルな方式ですが、この独特なシステムがプレイヤーに思考と好奇心の余地を与えていたのです。 例えば、私は最初に「言語」を選びました。なぜなら最初、「言語を特におすすめする」というセリフがあったからです。そうして言語を選ぶと、画面上のテキストが漢字と特殊記号が混ざった文字の集合体(言語モジュールが故障したときによく見るやつ)に変わってしまい、目の前の人物が何を言おうとしているのかも分からないまま手探りでゲームを進めることになります。しかも残りの4つの選択肢でさえも文字が崩れていたので、次に選んだものが何なのかさえ分からないまま選んでしまうという状況に陥ったほどです。 プレイ中に制作者さんから教えていただいたのは、記憶を失ったからといって必ずしも対処できないわけではないということ。例えば(少しネタバレになるので苦手な方は読み飛ばしてください)、言語の場合、ノベルゲームでよく見られるログ記録を通じて、相手が何を言ったのかを確認できるのです。このように、一見単純な選択肢を選ぶだけのゲームで、プレイヤーは自分の行動をより熟考し、その思考を通じて選択肢の結果をゲームのシステムで克服できるという独特な構造になっていました。 最も印象的だったのは、開発者との会話で聞いたこのゲームがティラノビルダーで作られたという点です。もちろん、ティラノスクリプトを直接編集する必要はあるとのことです。先ほど述べたノベルゲームコレクションで公開されたという言葉で既に察している方もいるかもしれませんが、個人的にティラノビルダーをあまり経験したことがない立場だったので、こんなゲームを作れるというのは正直ショックでした。 私も一時期ノベルゲームを制作する中でUnityの宴を使って色んなのチャレンジをしてきたのですが、当時見送ったティラノビルダーでもこんな素晴らしいゲームを作れるとは。「今更」という思いもありますが、今後ティラノビルダーで作られたノベルゲームコレクションのタイトルもしっかりチェックしなければ、そう思わせてくれた一本でした。 「表と裏」が織りなす魅力 今回紹介した『超絶融合バビおじ症候群』と『来りてモグモグ』、この二つのゲームを通じて感じたのは、インディーゲームが実現できる「表と裏」の魅力です。 表面的には可愛らしいキャラクターや親しみやすいUIを纏いながら、その実態は予想もしない内容や深みを持つ―これはある意味、より自由な発想と思考の行動ができる、インディーゲームなれではの試みとも言えるでしょう。 『超絶融合バビおじ症候群』では、美少女バーチャル配信者の裏にいるおじさんという設定自体がその二面性を表していますし、『来りてモグモグ』においては、選択によって失われる「記憶」という要素が、プレイヤー自身の体験そのものを変質させていきます。 大阪で出会ったこれらの作品は、「ゲームとは何か」「体験とは何か」という根本的な問いかけをも含んでおり、プレイ後もしばらく頭から離れない余韻を残してくれました。 次回の第三回では「デザインと操作感に心血を注いだインディーゲーム」と題して、インディーながらもメジャータイトル顔負けの完成度を誇る三つの作品をご紹介します。お楽しみに。

独特な雰囲気を醸し出すミニマルなインディーゲーム 〜ゲームパビリオンjp 2025レポート〜【上編】

こんにちは、モブです。また記事を書くことになりました。普段はSKOOTAGAMESのネゴラブチームで日々、コツコツとUnityと格闘している者ですが、前回のTIGSレポートがあまりにも好評だったため、今回は大阪で開催された「ゲームパビリオンjp 2025」に足を運んできました。 定時退社を心がけている私がわざわざ出張してまでイベントに行くのは珍しいことですが…正直なところ、無料経費で新幹線に乗れるところが大きかったかもしれませんね。しかし、そんな軽い気持ちで訪れたイベントは、予想以上に多くの発見と刺激に満ちていました。 今回のレポートシリーズでは「まだまだ広がるインディーゲームの世界」をテーマに、三回に分けてお届けします。初めての大阪でのインディーゲームイベント参加は、これまで経験した東京のゲームイベントとはまったく違う空気感を味わうことができました。出展されているゲームも、既視感のある懐かしいテイストのものから、全く新しい感覚を呼び起こす作品まで、実に多様性に富んでいたのです。 第一回目の今回は、「独特な雰囲気を醸し出すミニマルなインディーゲーム」と題して、小さな規模ながらも深い没入感を提供してくれた二つのタイトルをご紹介します。 とかげメトロGB:懐かしさと新しさが融合する手のひら冒険譚 最初に紹介するのは『とかげメトロGB』です。メトロイドヴァニア形式の2D探索アクションゲームで、特筆すべきは携帯ハードで動作するという点。現場ではこの小さなデバイスを手に取り、懐かしさと新鮮さが入り混じる不思議な感覚とともにプレイしました。 緑色のトカゲを操って「コオロギの巣」を探索するというシンプルな設定ながら、わずか10分ほどのデモプレイの間にも、予想以上の奥行きを感じさせる内容でした。プレイ方法や操作は直感的で、少し触れるだけですぐに手に馴染む設計になっています。 探索型アドベンチャーゲームの醍醐味は、明確な道筋が示されない自由さにあります。このゲームも例外ではなく、洞窟内を自分の意志で歩き回りながら、思いがけない発見や制作者の仕掛けに出会う喜びに満ちていました。小さな画面の中に広がる世界は、その制約を逆手に取った工夫と創意に溢れていたのです。 ゲーム内の細部には遊び心が散りばめられていました。全体としては巣を探検し、敵を倒して新能力を解放していくオーソドックスな流れですが、随所に小さな驚き要素が用意されています。 特に印象的だったのは、ゲーム内に登場する通信機のような装置。セーブポイントとしての機能だけでなく、主人公のスキンを変更できる機能も備えていたので、初期状態の緑色から、赤色の「アタックとかげ」や金属質感の「きんぞくとかげ」に姿を変えることができました。 たかが爪ほどのドット絵が変わっただけなのに、それがもたらす満足感はなかなか。この手の小さいゲームのカスタマイズ要素といえば、せいぜいプレイヤーの名前を入力する程度しか思い浮かばなかった自分にとって、この小さな工夫は割と衝撃でした。 マップには隠しエリアも点在していて、制限時間内に見つけられたのはたった2か所。「もっとあるはず」という探索欲を刺激してくれる設計も秀逸でした。次にプレイする機会があれば、もっと丹念に探してみたいと思います。 制作者のaze3さんは、本業ではゲーム業界のデザイナーとして活躍されているそうで、このゲームは趣味で制作しているとのこと。プロの技術と個人の情熱が融合した結果なのか、小さなスケールながらも隅々まで行き届いた繊細さを感じる作品でした。 指先に残る携帯ハードのボタンの感触と、液晶画面のうっすらとしたディスプレイまで。それらの懐かしさと、現代のゲームデザインセンスが不思議と調和した体験は、しばらく忘れられそうにありません。 帰路:静寂と思考が織りなす旅 次に紹介するの『帰路』です。独特の雰囲気が特徴的な2Dドットイラストのパズルゲームで、四角形のタイルで構成されたマップ上に、特定の形をしたパネルを置くことで道をつないでいくという、シンプルでありながら決して容易ではない構造のパズルゲームでした。 一つ特筆すべきは、単に道を見つけることがこのゲームの目的ではないということです。より正確には「正しい道」を見つけなければならないのです。主人公の少女は常に目的地に最も近いルートでタイル上を歩いていくため、間違った目的地を避けたり、仲間のカラスを連れて行ったりするなど、一見単純な構造でも、それ以上の目的意識を持ってプレイしなければならないゲームでした。 今回のイベントでプレイしたゲームの中で、最も頭を使わされたタイトルだったように思います。単に空いている場所にパネルを置けば道ができるわけではなく、パネルを置いた場所が空のタイルなら新たにタイルが生成され、元々タイルがあった場所なら消えるという仕組みのため、単純にタイルを埋めていく発想ではカバーできない難しさがありました。 ようやく慣れてきたかと思った矢先、ゴールに直進せずに仲間のカラスを連れていかなければならないという要素が加わり、さらに難しい状況に直面することになりました。なんとかタイルを置いたりリセットしたりしながら最後までプレイできましたが、後ろに誰か待っているかもしれないという焦りで手に汗を握りながらプレイしていました。 いつも思うことですが、このようなイベントでプレイするパズルゲームは、後ろに誰か立っているかもしれないプレッシャーと向き合いながらしなければならないんですよね。ただ、それゆえに成功した時に感じる達成感がとんでもなく大きいので嫌ながらもプレイしてしまうと。一度プレイしようと決心するのは難しいかもしれませんが、実際にプレイしてみると楽しい記憶として残るわけです。 ゲーム性ももちろんですが、先ほども言った通り雰囲気が素晴らしいゲームでした。特徴的なドットイラストも目を引く魅力があっただけでなく、控えめで静かな雰囲気のBGMと微かに聞こえてくる効果音が、パズルに頭を悩ませている最中でも思わず感嘆せずにはいられなかった要素でしたね。 カラスのギミックが加わった後の話になりますが、カラスを連れて目的地に向かう際、頭の上にカラスが止まるという細かいけれど可愛らしいポイントもありました。ストーリーも、もしかしたらのネタバレを避けるため詳しくは話せませんが、「この先に何が待っているのだろう」という想像を掻き立てるには十分だったように感じます。 久しぶりにパズルとストーリー、そして世界観という三拍子が揃い、期待を抱かせるタイトルと出会えたという点で、今回のイベントは十分な意義があったと感じられる、そんな貴重な出会いでした。 このようなパズルゲームの制作者に会うと必ず聞きたくなる質問があります。「こういったパズルはいつ、どうやったら思いつくのですか」という定番のクエスチョンです。ただ今回は珍しく、他の要素でお話しすることに時間を費やしてしまい、この質問を投げかける余裕がありませんでした。もし他のイベントで出会う機会があれば、ぜひ一度プレイしてみることをお勧めします。難しすぎる場合は、制作者さんが親切にヒントをくださるので、遠慮なく聞いてみてください。 小さくても深い体験を提供する力 今回紹介した『とかげメトロGB』と『帰路』、この二つのゲームに共通するのは、一見するとシンプルでミニマルなデザインでありながら、プレイヤーを独自の世界観へと引き込む力強さです。 携帯ハードという限られたハードウェアで表現された小さなトカゲの冒険も、静謐な雰囲気の中で展開される論理的なパズルの旅も、どちらも「小ささ」を武器に、むしろその制約の中で創意工夫を凝らした作品と言えるでしょう。 しかも驚くべきことに、これらはいずれも少人数、あるいは個人で開発されたものでした。大規模なチームや莫大な予算がなくとも、明確なビジョンと情熱があれば、プレイヤーの心に残る体験を作り出せることを、改めて教えてくれたタイトルだったと思います。 インディーゲームの魅力とは、まさにこういった「小さくても深い」体験にあるのかもしれません。大阪で出会ったこれらのゲームは、インディーシーンの多様性と可能性を再認識させてくれる、貴重な出会いでした。 次回は「独特なコンセプトで武装した、一方で闇を感じるインディーゲーム」と題して、斬新かつ大胆な発想で驚かされる作品たちをレポートします。お楽しみに。

「撼動大Webtoon時代的異端漫畫」HELLPER論前編-Road to Webtoon#4

時光回溯到2011年的夏天。成為中學生的筆者依然是個熱愛Webtoon的宅男。 不,或許那個時期的我才是「人生中最愛Webtoon」的時候。 在手掌大小的平板螢幕上,能夠「隨時隨地閱讀漫畫」的感覺,對於包括年幼的我在內的許多中高生來說,都是一種無法抗拒的魅力。自從2010年智能手機開始普及以來,能夠用手指滑動閱讀的縱向漫畫,也就是「Webtoon的體驗」,以不可思議的速度滲透到我們的生活中。因此,對於當時的中學生筆者來說,那段時期簡直就是大海盜時代,甚至可以說是大Webtoon時代的開始。 隨著大量中高生成為Webtoon讀者,當時的熱門作品也開始受到影響。於是,學園題材的崛起隨之而來。雖然不拘泥於類型,但作品的主角幾乎都以中高生為主,這似乎成為了一種趨勢。 《ゴット・オブ・ハイスクール》、《千年の九尾》、《オレンジマーマレード》、《ファッション王》、《高3が家出した》、《こんなヒーローはイヤ!》… 回顧2011年開始連載的作品,讓人不禁聯想到一些事情。在各種風格迥異的作品中,主角卻都是中高生,這樣的感想不禁浮現。 這或許是一種相當自以為是的想法,但對於Webtoon抱有神秘執著的青春期我,或許對那個時代的潮流感到厭倦。 突然出現的「異端」Webtoon 《HELLPER》(2011) 「果然還是果然啊」 守護城市的自警團領袖「姜光南」。在他因神秘交通事故去世後,展開了一場從幽明之間延伸的感性動作奇幻漫畫。(作者譯) -《HELLPER》第一季「MADMAN」的介紹 在這其中,突然出現了一部作品。在當時的Webtoon界中,帶著某種既視感,出現了一個新的「異端」。雖然這部作品並不算特別創新,但筆者卻感受到了一種難以言喻的違和感。 「被稱為『黑道溫室』的姜光南,為了保護自己出生長大的城市,聚集了當地的混混,成立了自警團『基爾貝洛斯』。他以卓越的領導力守護著城市,但卻因意外交通事故而喪生。死後,姜光南獲得了一張象徵著地獄之行的黑色票券,決心反抗自己的命運。據說,收集100張黑色票券就能前往天堂,或是轉生。為了以戀人的孩子身份轉生,姜光南決定收集剩下的99張票券… 第一季「MADMAN」的故事大綱 即使現在回看,這種獨特的畫風依然讓人印象深刻。角色的對話中夾雜著方言,讓人略感困惑。而且這部作品並不是當時流行的學園題材,卻意外地散發著濃厚的少年漫畫氛圍。在少年漫畫的巔峰時期,《ノブレス》(2007)和《神の塔》(2010)占據了主導地位,而《HELLPER》在連載初期卻不幸地未能獲得太多好評。 浪漫變成了尷尬的詞語,感性則變成了中二病。只有閒暇的人才能擁有從容。「熱情」這個詞在那時並不顯得土氣,真讓人懷念。 -《HELLPER》第175話 經歷了艱辛的《HELLPER》,幸運地成功結束了為期四年的第一季。而且在最終話中,這部作品以驚人的速度吸引了大量粉絲,甚至在連載日程上超越了上述兩部作品。這股人氣在兩年後依然持續,第二季雖然是成人向的內容,卻依然穩穩地登上了連載日程的熱門排行榜第一名。 筆者對這部似曾相識卻又有些陌生的Webtoon充滿了喜愛。從背景不斷變化的畫風,到難以理解但卻生動的對話方式,雖然看似獨特卻又遵循著傳統的發展,甚至在表現上挑戰年齡限制…簡而言之,這是一部雖然結構精緻卻又顯得有些模糊的Webtoon。 然而,在出現任何誤解之前,我想在此傳達一點。接下來要解釋的《HELLPER》的「異端」特質,將不僅僅是覆蓋最初評價而獲得霸權的故事,而是要作為一個獨立的主題來探討。 《HELLPER》是如何成為一部成功的作品的?這當然是一個引人入勝的話題。然而,筆者想強調的是,接下來要講述的《HELLPER》在Webtoon界留下的足跡,並不僅僅是數字上的變化。最重要的是,《HELLPER》自2011年開始連載以來,直到本月結束第二季的連載,都是對Webtoon界帶來最多變化的作品之一。 從Webtoon的閱讀方式到涉及整個產業的檢閱… 究竟,這部對Webtoon界帶來變化的「異端」特質是什麼呢? 現有Webtoon的「閱讀方式」中缺失的部分:滾動漫畫的完成來自讀者的指尖 《HELLPER》最初引起關注的因素,意外地在於其「閱讀方式」。 「Webtoon本來就不是縱向閱讀的。」讀者們在之前的文章中應該多次見過這句話。 從「單純將格子縱向排列的漫畫」的縱向閱讀理由的《強いやつ》(2008),到讓Webtoon讀者意識到「數位閱讀漫畫」的霍蘭的《オクス駅の幽霊》(2011)。 即使是這兩部作品,最終也未能觸及的問題,《HELLPER》卻突然提出了一個疑問。 那就是,對於閱讀者掌握控制權的Webtoon閱讀方式,「能否請您更快或更慢地滾動呢?」這樣的要求似乎在呼喚著。 在有限的Webtoon空間中,似乎出現了一些看似無意義的格子。但當讀者看到作者留下的「※滾動:快速▼」時,這便成為了一種與現有Webtoon截然不同的感受裝置。 實際上,滾動速度的提示對作品質量的提升貢獻了多少尚不明確,但讀者的腦海中或許會萌生出之前未曾意識到的感受。這是我們平時自然接受的閱讀方式元素。也就是說,我們不知不覺中面對著Webtoon的「自我節奏」。 這一幕需要更快的滾動,而那一幕則需要更慢的滾動。 意識到這一點後,讀者的視野便會出現差異。平時仔細觀察格子的讀者,會體驗到所閱讀場景的緊迫感和震撼,而那些隨意滾動的讀者則會注意到曾經錯過的細節。 滾動漫畫的完成來自讀者的指尖(作者譯) -SAKK(第10話,作者的一句話) 當然,對於這樣的作家的話,可能會有人指出「多管閒事」。 然而,正如SAKK所言,這一想法或許是在傳統的橫向閱讀漫畫中無法達到的,卻是在縱向閱讀的Webtoon中產生的意識。因此,筆者想強調的是,這句話雖然乍看之下像是玩笑,但其實是朝著滾動漫畫的「完成」的方向所寫的。 不僅限於漫畫的Webtoon:從音樂到時尚 此外,提到《HELLPER》還有一個特點。那就是作者SAKK經常通過《HELLPER》與其他類型進行合作。 例如,Webtoon中的背景音樂。正如在《Road to Webtoon》第2話中所解釋的,自從霍蘭這位作家出現以來,在Webtoon中加入背景音樂的做法越來越普遍。因此,背景音樂的功能本身並不算特別稀奇,但《HELLPER》卻因其獨特的曲目選擇而受到讚譽。 關於這首曲子的選擇,SAKK本人在音樂界的交情廣泛,據說是直接從認識的製作人那裡獲得曲子並放入作品中。其中不乏在韓國嘻哈界頗有名氣的人物。(例如Loptimist等)《HELLPER》與韓國嘻哈界的密切關係,或許也正是這種影響的結果。 其中一個例子就是上面提到的C JAMM。他甚至公開表示自己是《HELLPER》的粉絲,並以姜光南的台詞「果然還是果然」為靈感發表了歌曲。SAKK也知道C JAMM對《HELLPER》的強烈情感,甚至在作品中讓C JAMM以客串角色的形式出現。 這樣的趨勢在作品中不斷擴大,最終甚至引發了對於是否有名人客串的質疑。例如,出現了像是模仿偶像BTS的RM和WINNER的宋閔浩的角色「ジャップモン」、「マイナー」。還有一個角色「イ・ジグム*」明顯是以韓國知名藝人IU為藍本。因此,讀者在閱讀作品時,會產生「我認識的名人變成了這樣的角色,真有趣」或「感覺在隨意使用不相關的人物,讓人不快」的反應。 *IU在社交媒體和內容中經常自稱為「イ・ジグム」。