「KPOPのあれやこれ〜2025初夏〜」Monthly KPOP Chit-chat Season2 #10

2025.06.26 今回はシーズン2の連載10回記念と称して、一つの議題を掘り下げていくのではなく、いつもと趣向を変え今月話題になったKPOPのあれやこれについて語っていこうと思う。 マンネリ打破のため、KPOP Chit-Chatも日々進化しているのであります。 まず最初のトピックはBTSのメンバー全員が兵役を終え帰ってきたことだ。 噂では今年カムバックするとも、来年になるとも言われているが、いずれにせよBTSの完全体カムバックは2022年6月の「Yet to Come (The Most Beautiful Moment)」以来となり(2023年6月にデジタルシングル「Take Two」を発表してはいるが、リリース時には既にJINとJ-HOPEが兵役に就いていたため完全体での音楽活動は行なっていない)、3年もしくは4年ぶりのカムバックとなる。 BTS不在のこの期間、BTSの「MAP OF THE SOUL : 7」が持っていた3,378,600枚というKPOPアルバムの初動売上記録をSEVENTEEN、Stray Kids、NCT DREAMの3組が上回り、中でもStray Kidsはワールドツアーも破格の規模で行い、アジア・北米・南米・ヨーロッパと世界中のスタジアムでコンサートを行なった。 BTSが牽引していたKPOPをBTSよりも若い世代がこの2、3年の間を見事に牽引した格好となった。 では、BTSが戻ってきた今、この構図が一体どうなるのか?というと、正直なところ全く予想がつかないというのが本音である。 現状、KPOPグループ人気NO.1と言っても過言ではないStray KidsのファンがBTSが帰ってきたからと言って、Stray Kidsのファンを辞めるとは考えにくいし、BTSの人気自体も兵役前より下がってる感じも全く無い。 BTSは兵役期間中も撮り溜めていたコンテンツを供給し続け、兵役で居ないことを感じさせない戦略は見事だった。 ただ、KPOP全体の売上や盛り上がりで言うと2023、24年がピークだったように思わなくも無い。 特に日本では、合同コンサートのチケットが如実に売れなくなってきている。 4月12・13日に東京ドームで行われたINGALIVEは人気グループが多数出演したにも関わらず、スタンド席はガラガラでなんとも寂しい景色が広がった。 推しは見たいけど2、3曲しかやらない合同コンサートのために2万円という高額なチケット代は払えないというのが1番の理由だ。 それなら推しの単独コンサートに行く方が何倍も良いに決まってる。 が、しかしBTSが停滞したKPOPを再びブチあげる起爆剤になる可能性は否定できない。 何故なら、日本を含めた多くの国でコロナ禍以降コンサートを行なっていないのだ。 コロナ以降、兵役前にBTSがコンサートを行ったのは韓国とアメリカのみ。 世界中の多くのファンが待ち侘びているのは間違いない。 そんな状況で新曲を発売したら、何万枚売れるのか想像も出来ない。 不在期間をもろともせず、再びKPOP界の頂点に躍り出るのか、今からBTSのカムバックが楽しみでならない。 そして2つ目のトピックは「BOYSⅡPLANET」ことボイプラ2である。 ボイプラ2とは韓国のテレビ局Mnet主催のサバイバルオーディション番組で、著者の推しKep1erを生んだ「Girls Planet999」の男性版で、2023年に放送されZEROBASEONE(通称ゼベワン)を生んだ「BOYS PLANET」の後継番組だ。 このボイプラ2、7月17日からの放送で番組開始までまだ3週間もあるのだが、ここ日本ではもう番組が始まったかのような盛り上がりを見せている。 ではそれはなぜか? 先日、発表された参加者の中にまさかの人物がいたのだ。 その人物とは、現在日本で大人気のガールズグループME:I を生んだ「PRODUCE 101 JAPAN

「KPOPバブルは終焉したのか?」Monthly KPOP Chit-chat Season2 #06

2025.02.01 昨年の同じ時期に、Season1#4でも取り上げたKPOPバブルの話題。 2023年はKPOP CD売上が過去最高を記録し、年間総売上枚数がKPOP史上初めて1億枚を突破し、KPOPがバブルの頂点を迎えている事を記事にした。 そして、そのコラムの最後に著者は全てのKPOPオタクにこう提言したのである。 「2024年はみんなで一旦落ち着かない?今年は自分の幸せを優先してみない?2025年にBTSが完全体で戻ってきたら、否が応にも再びCD売り上げ戦争がやってくるのだから、それまで一休みしてみない?」 と。 この著者の声がKPOPオタクに届いていたかどうか知る由もないが、まさにその通りになった。2024年は本当に一休みした年となったのだ。 韓国CIRCLE CHARTが発表した下記の2024年度CD売上の図をご覧いただきたい。 2015年以降、ずっと右肩上がりの売り上げを記録していたCD販売数が10年ぶりに前年を下回る結果となっている。前年比だと19.5%のマイナス成長となってしまった。ただ下回ったと言っても2023年の1億枚超えが異質なだけだと考えることも出来る。現に、2024年も9300万枚以上は売り上げており、2022年の7700万枚と比べても1500万枚以上上回っているのだ。 従って、前年比で約20%マイナスだからと言って、KPOPバブルが弾けたと安易に結論付けるにはまだ早い。なんてったって、2025年はあの2組がカムバックすると言われているのだ。現KPOPキングとクイーンの帰還である。 そう、BTSとBLACKPINKだ。 BTSは2022年にリリースしたアルバム「Proof」を最後にメンバーが順に兵役に出て、遂に今年全員が兵役を終え帰ってくる。今年アルバムをリリースすることになれば、実に3年ぶりの新曲となり、ファンにとっては待ちに待った分、お金を溜め込んでいるARMY(BTSのファンネーム)も少なくないはずだ。さらに、グループとして活動休止していた間もそれぞれソロ活動をしており、ジミンが2023年3月にリリースした「LIKE CRAZY」が米Billboardのメインシングルチャート HOT100において、KPOPソロアーティストとして初となる1位を獲得。 これは世界的ヒット曲となったPSYの「カンナムスタイル」の最高2位を上回る快挙だった。 そしてジョングクがその4ヶ月後となる7月にリリースした曲「Seven」が世界的大ヒット曲となり、これまたジミンに続き米Billboard HOT100で1位を獲得。 元々巨大だったBTSのファンダムだったが、彼ら2人のソロ曲のヒットにより新規ファンを獲得する格好となり、今やBTSの潜在ファン数は未知数だ。 そしてBLACKPINKも2022年にリリースした「BORN PINK」が最後のアルバムとなっており、BTSと同じく3年ぶりのカムバックとなる。しかも、BTSと同じくそれぞれがソロ活動を行なっており、なんと言っても2024年10月にリリースされ瞬く間に世界を席巻したロゼの「APT.」の大ヒットによりBLACKPINKも新規ファンの獲得に成功。「APT.」は直近(2月1日付け)の米Billboard HOT100で3位まで上昇し、KPOP女性アーティストとして最高位を記録。リリースから3ヶ月経った今でも人気を持続し続けており、このまま1位にまで駆け上がっても不思議ではない。イギリスのシングルチャートでも2位を記録し、これもKPOP女性アーティスト最高位を記録した。 先日さいたまスーパーアリーナで行われたEDMフェス「GMO SONIC」では、EDM好きの客がほとんどの中でも「APT.」は別格の盛り上がりをみせ、最早KPOPの括りなど関係の無い存在にまでなっている感すらある。 このように、BTSとBLACKPINKの2組がカムバックすることを考えたら、2025年のKPOP CD売上がどのように推移するのか、全く想像がつかない。 BTSの初動最高売上は2020年の「MAP OF THE SOUL : 7」の3,378,600枚で長らく初動売上1位を守っていたのだが、2023年にNCT DREAM、Stray Kids、SENVENTEENの3組がBTSの初動記録を更新。特にSEVENTEENの「SEVENTH HEAVEN」は脅威の初動500万枚越え。恐らくARMYはプライドに懸けてこの500万枚を超えてくるだろうと予想している。なんなら二度と追い越せないように600万枚、700万枚を狙ってくる可能性だってある。 BLACPINKも同じくだ。2022年の「BORN PINK」が154万枚でガールズグループの初動1位を記録したのだが、2023年にIVE、NewJeans、aespaに抜かれ現在4位になってしまっている。この3組とも160万枚台で拮抗していることから、BLINK(BLACKPINKのファンネーム)は200万枚超えを狙っているに違いない。2024年の売り上げ枚数9300万枚に単純にBTSとBLACKPINKの予想売上枚数を足すだけで再び1億枚時代に舞い戻る事になる。 こうなってくると抜かれたグループのファンも黙ってないだろう。 SEVENTEENはメンバーの兵役が始まるので、物理的に追い抜くのは難しいかもしれないが、今世界人気ではポストBTSの筆頭格であるStray Kidsはまだまだファンのポテンシャルは計り知れない。 BTSがカムバックする事でこれまで以上に盛り上がるかもしれない。 ガールズグループも2024年を制したaespaがポストBLACKPINKの筆頭であるのは間違いない。 「Supernova」と「Whiplash」と2曲続けてヒットさせたaespaは年々ファンダムを拡大させているし、潜在的には BLACKPINKと肩を並べている可能性だって否定できない。 この新旧ガルクラクイーン大戦が2025年のハイライトとなる!と予言して本稿を締めくくらせていただく。 了 猫町ぺこー SKOOTA KPOP部チーム長

「2024KPOP大展望答え合わせ」Monthly KPOP Chit-chat Season2 #05

2025.01.06 A HAPPY NEW YEAR! 明けましておめでとうございます。 本年も本コラムをどうぞよろしくお願いいたします。 さて、新年一発目は、1年前に自ら書いた予想の答え合わせをしていこうと思う。 遡る事約1年前。 Season1#5において書いた2024KPOP大展望のコラム。 読んでない方は是非Season1#5の記事を読んだのちに、本稿に戻ってきていただけると大変有り難い。 という事で早速、結論。 「2024年はガルクラ復権の年になる」 と書いていた1年前の予想が当たっていたか否か。 その答えは… 「当たっていると言えなくもないし、ハズれてるとも言えない」だ。 自分で書いておいてなんだが、大当たりでも大外れでもないという、なんとも中途半端な結果となってしまった。 2024年はKPOPで爆発的にヒットした曲が3曲あった。 ILLITの「Magnetic」 aespaの「Supernova」 そして、ロゼ&ブルーノマーズの「APT.」 そう、爆発的ヒット曲3曲のうちの1曲は、ゴリゴリのガルクラ楽曲aespaの「Supernova」なのだ。 しかも「Supernova」はただのヒット曲の枠に収まりきらない売れ方をした。 韓国国内の主要音源チャート全てで同時に1位を獲得する「パーフェクトオールキル」を達成し、更には韓国主要音源チャートMelonで15週連続1位となり、これまでNewJeansが「Ditto」で記録した14週連続1位を抜き、連続1位最長記録を更新。 そして「Supernova」が収録されたアルバム「Armageddon」は初動115万枚を売上、4作連続のミリオンセラーを達成し、米Billboardワールドアルバムチャートで1位を獲得。 そして、年末に米Billboardが発表した「スタッフ選定2024年ベストK-POPソング25(The 25 Best K-Pop Songs of 2024: Staff Picks)」でも1位に選ばれた。 米Billboardは「今年を代表するK-POPトラック。3分間展開されるこの曲は、革新と構造を完璧に組み合わせた作品で、3回のフルコーラスとダイナミックな部分、感動的なブリッジ、そして圧倒的なダンスブレイクが組み合わせられている。それでも、aespaは曲全体に完成度と一貫性を維持し、新しい境地を見せてくれる」と大絶賛。 さらにKPOP最大の音楽授賞式「2024MAMA AWARDS」において、「Supernova」がSong of the Yearを獲得。 韓国国内外で「Supernova」が今年1番のKPOPソングと評された。 2023年がY2KブームとイージーリスニングをKPOPに定着させたNewJeanes Yearだった事を考えると、僅か1年でガルクラグループの代表格であるaespaが、元々売れていたグループとは言え、ここにきてキャリアハイの売れ方をして、ここまでの成功を収めるとはほとんどの人が予想していなかったと思う。 そういう意味ではガルクラ復権の年になった!と言っても差し支えないように感じる。 そして、7月にはガルクラの先駆者2NE1が10年ぶりに完全体での活動を発表し、10月から始まったアジアツアーのチケットは軒並みソールドアウトした。 YGエンターテイメントの新人ガルクラグループBABYMONSTERは11月1日に発表した1stフルアルバム「DRIP」がiTunesのアルバムチャートで11の国と地域で1位を獲得し、「DRIP」のミュージックビデオは僅か21日で1億再生を突破した。 このように、2024年如何にガルクラが躍進したのかを上げればキリがない。 ではなぜ、著者が2024年がガルクラ復権の年になった!と大手を振って言えないのか。 それは、フラットなKPOPファンに聞いた時に、「2024年はガルクラの年だったね!」 と答える人はあまりいないのではないか?という事に尽きる。